重大事故の検証の10(JR福知山線)

 今後も犯人探しではなく事実を積み重ねて(自分なりの)検証を続けていきたい。


◎この国は病んでいるのだろうか。人が死ぬかもしれないということを承知で、こういった「置き石」をしている「輩」には、有無を言わせず(見せしめでもいいから)重罪にしたほうがいい。
尼崎脱線事故 全国で置き石など相次ぐ 5日だけで9件も 毎日

始発駅でもオーバーラン、回送乗り入れで JR脱線事故 2005年05月06日アサヒ・コム
◎始発駅(宝塚駅)でもオーバーランし、伊丹駅でもオーバーラン(一説には70m以上との乗客の証言がある)、車両の不備も想定する必要があるかも。

ボウリング 疑問の社員「言いづらかった」 毎日5月6日
 JR西日本天王寺車掌区の社員43人が福知山線脱線事故当日、懇親目的のボウリング大会を開催していた問題で、参加者全員が事故の発生を知り、うち13人は死傷者が多数いる重大な事故と認識しながら参加していたことが同社の調査で分かった。ボウリングを続けることに疑問を持つ社員もいたが、「目上の人に言いづらかった」と上司に中止を進言しなかった。安全最優先という鉄道マンの意識が欠如していることを露呈したといえる不祥事に、垣内剛社長は社員の安全意識見直しを明言した。》》続く

産経5月6日 ≪売り上げ激減≫
 同県川西市の市街地に近い川西池田駅。不通以来、駅前は人通りが減って閑散とした状態が続いている。停車しているタクシーを利用する客もほとんどいない。
 駅構内の改札付近にあるコンビニエンスストア店長の安松太郎さん(42)によると、不通後は一日の売り上げが通常の二割程度にまで激減。「おにぎりやサンドイッチといった商品の廃棄量がものすごく増えている。このまま赤字が続くぐらいなら、復旧までの間、一時的に閉店した方がいいのかもしれない…」。
 伊丹駅では常駐タクシーの台数が事故後、約五分の一に減少した。同駅を二十年近く拠点にしている男性運転手(60)は「前は五分も待てば客が乗ったのに、今は二、三時間待ちも当たり前」と話す。夫とともに同駅付近で雑貨店を経営する女性(40)は「人の流れが変わり、売り上げが半分になってしまった。ゴールデンウイーク用に商品をたくさん用意していたのに…。犠牲者のことを考えると申し訳ないが、生活がかかっているので早く復旧してもらわないと…」。経済活動への影響を心配する声も出ている。

◎↑はやくもこういう報道を産経がしている。まさに「のどもと過ぎれば」の例えどおりに、事故の根本原因・JR西日本の体質改善・安全運転の保証・被害者への補償などがまるで解決していないのに・・・もちろん不通区間の駅を中心として商売がしにくいのは同情しますが、タクシーなんかは客が来ない駅で何故まっているのか?不思議です。コンビニでも当然売り上げが少なくなるのは分かっていて在庫調整しないから廃棄量が減らないのでは。こうした際には、知恵と工夫が必要である。このように一時のニュース性が落ちたと判断していかにも地元が困っているからと言って、再びこのような事故が起きたら(起きる可能性がある)産経はどういう記事を書くのだろう?

JR西への怒り、あきらめ さまざまな声 毎日5月6日
 責任転嫁とも見える「置き石説」、被害者を「被災者」と呼んでしまう会長、被害者の救助をせずに出勤した運転士、大事故を知りながらボウリングを続け、その後飲酒に興じた車掌たち……。尼崎脱線事故をきっかけに、JR西日本への信頼を疑わせる出来事が次々と明らかになっている。5日までに5560組(JR西調べ)以上の人が訪れた事故現場近くの献花台では、JRに対する怒り、あきらめなど、さまざまな声が聞かれた。

 <献花台から>
 ◇犠牲者の友人ら
 亡くなった杉山恭枝さん(34)の知人の兵庫県伊丹市の主婦(32)は「JRは自分のやった“罪”を自覚してほしい。逃げてばっかり、言い訳ばっかり。ボウリングに行くなんて許されへん。ありえない。運転士でなく上の人が悪いのだと思う」と憤る。
 また、犠牲になった山本真大さん(29)の友人の漆崎慎也さん(29)は「(脱線電車の)運転士も犠牲者で、そういう状況を作ったのはJR。置き石の件にしても、どこに責任を押し付けようとするのか。さみしい会社や。さみしい会社やなぁ……」と嘆いた。
 ◇乗客や住民
 オーバーランしたJR伊丹駅で脱線電車の4両目に乗った同県伊丹市の公務員男性(27)は「私は無事だったから、いろいろ言えるが、亡くなった人は何も言えない。JRは、そんな人に対して恥ずかしくない対応をしていると言えるのか」と訴えた。
 電車が衝突したマンションの管理組合理事長、遠山進さん(53)は「JRの一連の動きを見ると、相手の立場を考える姿勢が欠けていると思えてならない。目につくのは『すべて自分中心』という一方通行の身勝手さだ。旧国鉄時代の体質が残っているからか」と首をかしげた。
 ◇鉄道関係者
 電車の車両メーカーの下請けをする鉄工所経営者(50)は「競争社会だからコストダウンは必要だが、JRはひどい。度が過ぎると、万一の場合大変だが、今回まさにそうなった。まずコスト(ダウンありき)ではだめだ」。(以下略)

◎まだしも、毎日の記事はマトモです。ただ、「あきらめ」はいただけない見出しだと思う。マスコミは良きにつけ悪しきにつけ、世論をリードすることに大きな役割をいまのところ持っているだけに、あきらめてはならない→JR西日本を、そして国土交通省(なぜか第3者のふるまい=監督庁なのに)を、そして今の社会を糾していく役目があると思います。