重大事故の検証の9(JR福知山線)

 今後も犯人探しではなく事実を積み重ねて(自分なりの)検証を続けていきたい。

JR西日本の対応のまずさはどうしようもない。マスコミによる過度なJRたたきには反発を覚えるが、下記の報道にみられるJRの安全及び危機管理の意識の欠如は同じ鉄道関係として真に恥ずかしい。
 事故による死傷者への救助もしないで、「置き石」の現場写真を撮ったり、事故車両に同乗していた乗務員に出社を指示したり(最初は乗務員の気が動転していたからと説明していた)、また、事故列車の車掌に虚偽の報告を強要したり、「事故」に対する誠実な対応の姿勢がJRには見えない。責任を上層部へ及ばないように、あいまいにあいまいにしている。旧国鉄からJRに民営化させるときに数々の矛盾を強引に押し込んできた結果がここにあらわれたのではないか。

 毎日5月6日より引用。国鉄の分割・民営化を追ったルポ「国鉄処分」の著者、鎌田慧(さとし)さんの話
 国鉄時代は、公共交通の模範というのが事業者と労働者の誇りだった。JR西日本は、私鉄の激しい競争の中でそれが崩壊した。JRは、分割・民営化に同意しない者を「人材活用センター」へ送るなど労働者を管理・支配してきた。「抵抗しない」姿勢は今も組合員に残っている。運転士は自己判断を求められるのに会社が「使いやすい人間」を作った。

◎これ以上事実を隠蔽することがあるなら会社自体の存立も危ういといえる。


マスコミのJR西日本叩きについて思うこと 「〜日々是好日〜さんのブログより」
◎上記の意見にも賛同するところがあるのですが、確かに一部記者(かなり特定できそうだが)の発言には、「知性」が感じられません。JR西日本の後手後手の対応と、とても大企業(同じ鉄道関係からみてもその連絡体制や危機管理の欠如にはあきれ返る点が多い)の体制ではないマスコミ対応で、現場では(視聴率に関係なく=そう思いたい)延々と記者会見が続いている模様である。日本では記者が署名で記事を書くことが少ないので、記者自身も自分の責任がすごくあいまいなんだと思う。また、同じ記者がずっと張り付いていると疲労もたまる。人間の緊張感というのはそんなに持続しない、ここらで記者も交代させてリフレッシュさせ、冷静になって今回の事故をみつめなおして、再度、視点を変えて取材してはどうだろうか。マスコミをはじめ自分自身も粘り強く今回の事故を検証することが求められている気がします。

□「あれは、あれで良いのか」さんの 報道機関のつっこみどころについて
◎冷静な事故との関連を追及していく報道の姿勢が大事と上記のブログでは話しておられます。まさにその通りだと僕も感じます。

事故後ボウリング大会 状況知りつつ天王寺車掌区の43人 産経5月5日
 JR西日本天王寺車掌区の区長(53)ら四十三人が脱線事故当日、事故状況を知りながらボウリング大会を行っていたことが四日、分かった。うち二十二人は大会後、酒を飲んでいたという。同社は「計画だったとはいえ、当然中止すべきだった」として、関係者の処分を検討する。
続く

 産経5月5日 JR脱線事故 2運転士現場離脱 モラル欠如 上司も救助指示せず、出勤「遅れないで」 続く

□I WANNA KNOW!さんの=彼等にとって優先すべきは何だったのか?

やはり通常運行を優先したのか? 会社の利益追求に逆らえなかったのか? 乗務すべき電車に遅れがあってはならないと考えたのか?事故車両から外に出て、彼等が目にしたのは脱線してマンションに突っ込んだ自社の電車だったはずだ。多くの負傷者だったはずだ。助けを求める人々の叫びだったはずだ。それを目にして、耳にしてでも、会社に向かった彼等が優先したのは何だったのか
続く

事故原因

ブレーキで車輪ロックせず 2両目まで横転し衝突か 産経5月5日
 尼崎JR脱線事故を起こした快速電車の先頭車両の車輪には、非常ブレーキでロックされた場合に付く「スキッド痕」と呼ばれる傷がないことが4日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。 続く