志とは何か?
□ヨミウリ・オンラインより引用。
敵対買収 現制度に危機感
ソフトバンク・インベストメント(SBI)の北尾吉孝・最高経営責任者(CEO)が読売新聞社の単独インタビューで、フジテレビジョンとライブドアの和解に向けた仲介役を「やりたくない」と明言し、ニッポン放送の経営権を巡る争いの行方は一段と不透明になってきた。フジテレビとライブドアの対立が始まってまもなく2か月となるが、買収対象となったニッポン放送の株主構成は、今月中旬までに判明する見通しだ。ライブドアが過半数を握り、株主が少数に限定されれば、上場廃止となる可能性は高い。さらにライブドア側が、ニッポン放送の株主総会にどのような提案を行うかも明らかになる。
現時点では、両社の和解に向けた動きに第三者が容易に手を出せないというのがM&A(企業の合併・買収)関係者の見方だ。このため、北尾氏は「時間(の経過)と株価がすべてを決めていくだろう」と述べ、当面は事態の推移を見守る考えを示したとみられる。
ライブドアが株式の大規模な分割や敵対的買収を進めたことを、北尾氏が「資本市場の地下水を汚した」と批判したのは、こうしたM&A手法がまかり通れば、資本市場の健全な育成が損なわれるという強い危機感があるようだ。ニッポン放送の持つフジテレビ株を借り受けた動機をあえて「義憤」と表現したのも、自社の利益よりも健全なM&Aの普及を願っての行動だと強調する狙いがあったとみられる。
インタビューの主な回答
■フジテレビ株
「フジテレビ、ニッポン放送と共同で、インターネットと放送の分野での投資ファンドの設立準備を進め、フジテレビに人的資源などの協力をお願いしていた。この時にライブドアがニッポン放送株の取得を進めたため、(ライブドアに多数の株を握られた)ニッポン放送の経営体がどうなるか分からなくなった。全面的な協力を得るため、ファンドの設立期間(5年間)に合わせてフジテレビ株を担保として借り受けた」「(ライブドア傘下に入った)新生ニッポン放送とフジテレビが合意すれば、フジテレビ株は必要ない。いつでも返す。借り株には手をつけない。もうけようとは思っていない」
■堀江社長
「公共財としての資本市場の地下水を汚してはいけない。株式の大規模分割や敵対的買収などを立て続けに実施し、『インターネットと金融、メディアのドンになる』というのは許せない。私や孫さん(正義ソフトバンク社長)には志はあるが、堀江君のは野心だ」「こうした手法をこれから出てくる若い事業家がまねするのは日本のためによくない。だから、僕は立ち上がった。義憤だ。アンフェアな敵対的買収がまかり通って、成功例になったら、追随する勢力が出てくる」
■仲介役
「(フジサンケイグループとライブドアの和解仲介は)求められても、やりたくない。それが正直なところ。解決するためには、『ニッポン放送の企業価値を高めること』と『ライブドアがニッポン放送株の過半数を取得しているという事実』の二つを念頭に入れることだ」「縁がありフジテレビの筆頭株主になったから、できるだけ早く決着してもらいたい。その決着が、敵対的買収に対する一つの回答になる」「相手の立場を無視した敵対的買収を外国人は今後してくるだろう。敵対的買収を否定はしないが、現在の法制度では、敵対的買収を仕掛ける側が有利で、アンフェアだ」「今後のことは時間と株価が決めていく。これからニッポン放送の株主構成が決まり、上場廃止になるかどうかもわかる。堀江君がどのような株主提案をするかも明らかになる」
「新生銀行の再生で有名になった米投資ファンドのリップルウッド・ホールディングスなどは、グローバルにチャンスを狙う。利ざやが取れれば、それ以上はかかわらない。一方、私たちは日本で新しい産業を創造しながら、将来の日本を考えて事業を進めている」「村上ファンド(投資顧問会社「MACアセットマネジメント」)の村上世彰氏は、(フジテレビ株の貸借を発表した)会見後、慌てて会いに来た。彼は元官僚だから志はあると思うが、本心は分からない」
(北尾氏)野村で20年以上M&A手がける
1951年、兵庫県生まれ。生家が中国古典を輸入する業者だったといい、インタビューでも「窮すれば変ず、変ずれば通ず」(易経)などと、度々古典を引用しながら語った。
74年に入社した野村証券で、20年以上にわたりM&A(企業の合併・買収)ビジネスの実績を積んだ。野村証券の部長時代に株式公開を担当したのがきっかけで、ソフトバンクの孫正義社長に引き抜かれ、95年からソフトバンク・グループの要職を歴任した。
M&Aを繰り返して急成長を遂げたソフトバンクの中で、最高財務責任者(CFO)を務め、企業買収と資金調達を仕切る戦略参謀としてらつ腕を振るった。99年のSBI設立と同時に社長に就任し、2003年からCEOとなった。
「M&Aを誰よりも知っている」と豪語。ニッポン放送株を買収したライブドアの堀江貴文社長に対し、「他人の家に土足のまま上がって仲良くしようやというのは、いかがなものか」と強く批判している。
◎この資本主義の世の中に、自社の利益よりも堀江氏が許せないと立ち上がった 他称「ホワイトナイト」の北尾氏。本当かな?いまどきそんな暇な経営者がいることがいかにも「日本的」と言わざる得ない。ま〜土足発言も日本でしか通用しない表現であるな。