BSアニメ夜話 エヴァンゲリオンはやはりよい

NHK BS-2で放送されるトーク番組。司会は岡田斗司夫さんと乾貴美子さん(大きな口を開けて豪快に笑うのが見ていて気持ちいいw) 
 ゲストはエヴァの企画(プロデューサー)大月俊倫(としのり)さん、声優の宮村優子さん(32才だけど可愛い)、作家の滝本竜彦さん、アニメ評論家(フリーライター)の藤津亮太さん、SFフアンタジー評論家の小谷真理さん、評論家の唐沢俊一さん、でした。ゲストが一人ずつお気に入りのシーンをVTRで流して、それを基に話しを展開するという方式で放送は進行した。
 最初に、大月さんが、オープニングアニメを取り上げた。岡田さんもこの時代(1995年)の最先端のものと絶賛(僕も「残酷な天使のテーゼは大好きである)宮村さんもこのオープニングを見て声優陣のテンションが上がったという。 次に宮村さんは第9話「瞬間、心、重ねて」での初号機と弐号機がシンクロして使徒を攻撃するシーン。碇シンジ 役の緒方恵美さんと宮村さんが何10回もリテイクしてオンエアをみたら結局BGMに替わっていたので「ふざけんなよ」の一言。滝本さんはテレビ版第4話「雨、逃げ出した後」と劇場版第25話「Air」のシンジが落ち込むシーン。逃げるシンジはえらいと述べる滝本さんに対して岡田さんは「拗ねた」とし、成長しないヒーロの物語=文学だとした。このエヴァンゲリオンを文学としてとらえきれず芥川賞を与えない文学界がダメと断じた。アニメがエンタティーメントと思っていたら純文学であったという結論。小谷さんは第19話「男の戦い」で初号機が使徒を食べるシーン。藤津さんは劇場版第26話「まごころを、君に」の実写シーン。
唐沢さんは劇場版最終話シンジがアスカの首をしめるが完遂出来なかったシーン。最後の言葉「気持ち悪い」は与えられないことの快感を教えてくれた。宮村さんがアスカのセリフは最初「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」であったことと庵野秀明監督は変な人と語った。

名(迷)言集=だって綾波じゃないですか(滝本)、スポンサー至上主義の考えに風穴(大月)、あんたこんなことしたら大赤字になるよ(大月)、最後はそれかよ(宮村)、監督に99.9%やらしてあげるプロデュサーはえらい(宮村)、記憶に空白(滝本)  

○最終回の謎=アニメ評論家の氷川竜介さんが 最終話(25話と26話)の解釈 アニメによるアニメとは題して、監督がアニメの自我補完計画を行ったとした。 
 最終回に関しては、宮村さんが台本が当日しかとどかず、それもコンテ絵でのアフレコ。今週も線が多いなとおもっていたらオンエアみたら、そのまんまであった。
 岡田さんの説明によれば監督はアニメ製作者もスタッフも出演者そして観客さえ巻き込んで自分と同じ地平に立つよう融合していった思想的実験と位置づけました。 
 エヴァ誕生してこの10年がいい混乱ではなかった。エヴァ以後は、エヴァの表皮だけをなぞらえたアニメ作品が多かった。=唐沢 これに対して他のゲストからはエヴァの残した功罪の中でも1995年に例えば引き篭もり等を取り上げ現代に強く影響を与えたと発言した。
 岡田さんは最後にまとめて、エヴァは難しいアニメじゃない、心躍るおもしろいSFアニメでありながら時代とシンクロした純文学であるとした。これから観る人にたいしてももうそろそろこの「純文学」から解放してあげたいと結んだ。

残酷な天使のテーゼ

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