とにかくバーレンに勝たなければ

2005年03月28日日刊スポーツより引用

ジーコ日本3バック、中田と宮本が直訴
 ジーコジャパンが3バックに戻してバーレーン戦必勝を期す。日本代表は27日、埼玉に再合流して30日のW杯アジア最終予選バーレーン戦(埼玉)に向け練習を再開した。宿舎ではDF宮本恒靖(28=G大阪)とMF中田英寿(28=フィオレンティーナ)がジーコ監督(52)にシステム変更を提案し、練習では右ボランチ中田英が入る3バックとなった。攻撃陣もFW高原が居残り練習を行うなど緊張感も十分だった。
 すべてが1つの結論に収束した。この日午後、宿舎で宮本と中田英ジーコ監督を訪ねた。「ずっとやってるシステムでやりたい」。宮本が切り出すと、ジーコ監督もすんなりと受け入れた。
 話し合いは約20分。宮本が「ジーコもそう考えていたみたいだった」と言う通り、練習では、敗れたイラン戦で選手が戸惑いを口にした4バックから出場停止明けのDF田中の入る3バックになった。ジーコ監督は「イラン戦でも田中がいれば3バックでやっていたと思う。彼が戻ったので、今は3バックを考えている。今日のフォーメーションが次の先発」と断言した。
 さらに小野の出場停止で穴のあくボランチ中田英が入った。ジーコ監督がプレーを止めるたびにMF福西と中田英、時には宮本も加わってピッチ上で話し合った。福西は「マークやプレスのタイミング、前の(選手の)動かし方を確認し合った。いつも組む相手といいところを出し合えるようにやってるし(今回は)ヒデのいいところを出すように動けばいい」と言った。中田英は福西のカバリングだけでなく、積極的に攻撃にも参加し、トップ下のMF中村と縦の関係をつくりながら効率的にボールを動かしていった。
 従来の3バックを維持しながら、中田英と中村を共存させる修正案。ジーコ監督は「中田英は本来、攻撃的な選手。攻撃のよさを生かせる位置ということでボランチと同じラインにいる」と説明し、攻撃力に期待する。
 予選突破へ、落とせば後がなくなるバーレーン戦。だからこそ選手は監督に、4バックから3バックへの変更を直訴し、同じことを考えていたジーコ監督も迷わず戻すことを決断した。だが最も重要なのは絶対に勝つ、という闘志と執念。同監督も「システムで勝てるなら監督なんかいらないもの」と言い切った。昨夏のアジア杯を制し、慣れている布陣で、日本は勝利だけに集中していく。【永井孝昌】

 4バックで行くことの全責任を負っていたジーコだけに、「敗北の将黙して語らず」か。それにしてもジーコは余りにも「情報戦」で単純である。イランのときも早めに4バックを明らかにして敵に戦術を伝授している。今度のバーレン戦でもスポーツ紙にまで3バックとかメンバーをばらしているようでは勝てるものも勝てない。