ゲームについて

 朝日新聞大阪版3月21日号11面生活(こども)より「ゲームとつきあう 意見×異見」の要旨

 消費生活アドバイザーの工藤美奈子さん「様々な遊びの中でも、特にのめり込みやすく見えるゲーム。勉強やお手伝いをしてほしい親としてはあまり与えたくない。でも、学校では子どもたちの共通の話題にもなっていて、仲間外れになるのも心配」「各家庭で①時間を決めてやる②家族の目が届く部屋でやる③高額なゲーム機やソフトの貸し借りはしないなどのルールをつくる」「でも実際は、なかなか決めた通りにはいかない。そこで、提案は、親も同じゲームを一度やってみること」「親として、消費者として腑におちないのは、子どものおもちゃにしては非常に高価なことです。お小遣いをためて、親も手伝って誕生日などにゲーム機を買っても、すぐその機種が使えなくなったり。ものを大切にすることを教えられない。」

 ソフトの高額なのはどこが一番営業費(支出)がかかるのだろうか?機種が使えなくなるのは任天堂ファミコンスーパーファミコンゲームキューブ(完全に伸び悩み)という一連のファンを無視した流れや、セガセガサタン→ドリームキャストという情け容赦ないユーザーを切り捨てる経営(ついには撤退)など、消費者心理を読めない古臭い経営(ゲームつくりには才能あるのだろうけど)は自然淘汰される。

 対して、エンターブレイン社長(週間ファミ通など)の浜村弘一さんは、「いつの時代も、大人は自分が知らないものには否定的です。漫画やアニメも悪者にされた時代がある。ゲームも同じ。悪影響が言われていますが、なんでもやりすぎはよくないにきまっています。」「危惧するのはゲームをするとキレやすくなるというような短絡的な考え方です。ゲームが上手なことが悪いわけじゃない。冷静に見守ってほしいと思います。」

 浜村社長の弁は、雑誌売り上げに微妙に関係するので、もうすこし人選したほうがよかったと思う。しかし、ゲーム脳なる言葉は少しも科学的ではないことだけは確かである。

アサヒ・ドット・コム 2005年03月21日よりの引用

堀江氏「来襲」の波紋 テレビ界への挑戦状
 「放送と通信の融合」という旗を掲げ、ライブドア堀江貴文社長がメディア買収に激しく動いている。対するテレビ各局は、あたかも「黒船来襲」にあったかのような動揺ぶりだ。テレビ側は「通信との連携にはすでに乗り出している」と反発する一方で、「現在の収益構造を変えたくない」という本音ものぞかせる。堀江氏のメディア戦略とは何か。それがテレビ界にどんな波紋を広げているのか。
ライブドアの戦略 ヤフー追い越す悲願
 「テレビ局って、色々な資産を持っているんですよね。テレビを取ればいろんなことができる。しかも経営が甘いんですよ」昨年夏、プロ野球の球団の買収問題が話題になっていた時期に、堀江氏は周辺にもらした。「プロ野球より取るのは楽だ」とも言ったという。この話を聞いた関係者が語る。「テレビ出演が増えたことで、彼はテレビの楽しさを知った。でも、その世界の中心を形成しているのは仕事のできない古い経営者。だったら自分が買おうと思った。彼は本当にフジテレビが好きなようだ。彼は好きなものには金を出す。ニッポン放送の買収は愛情の印だった」
 堀江氏は今月初め、日本外国特派員協会で強調した。「ネットはすべてにおいて既存メディアに勝る。放送はどんどん先細りになるが、まだブランドと集客力はある。IT化すれば新しいビジネスモデルになる。ここ1、2年が勝負だ」堀江氏は「既存メディアとの融合によるシナジー(相乗効果)」を繰り返し唱えている。そのうえで「番組と連動した商品販売」「視聴者の声を生かしたドラマシナリオづくり」「放送広告とネット広告の連動」などの案を打ち出している。ライブドアの伊地知晋一・上級副社長は「テレビ番組を有料にしたり、広告をつけてネット配信したりする例は、海外ではよくある」と語り、フジテレビの番組ソフトをネットで配信する狙いを示唆する。実際、堀江氏はネット上で「韓国では放送直後のドラマがオンデマンドでネットで見られる。スポンサーのCMさえちゃんと流せばいいわけですよ」と語っている。
 堀江氏の悲願は、インターネット界の巨人といわれ、孫正義氏が率いるヤフーを追い越すことだと見る人は多い。孫氏はかつて、メディア王といわれるルパート・マードック氏と組み、テレビ朝日株の大量取得に動いた。堀江氏がフジテレビを手にできれば、孫氏もできなかったことを実現することになる。ライブドア幹部は「まだ遠いが、ヤフーの背中は見えてきた。今回の提携がまとまれば、距離は一気に縮められる」。
 堀江氏を何度も取材したジャーナリストの佐々木俊尚さんは言う。「堀江さんはロジックとルールがすべて。ネット業界はロジックが正しければ成長できたが、彼はその外の世界に飛び出してしまった。まさかここまで突き進むとは、という衝撃が既存メディアに不安を抱かせている」
○テレビ局側の困惑 「収益構造」変化に恐れ
 「ライブドアのやっていることは『桶狭間』であって、同じ奇襲戦でも(勝算のあった)『一ノ谷』ではない。ばくち性が強すぎる」。日本テレビ氏家斉一郎会長は、歴史上の合戦になぞらえてそう話す。ライブドアは、日本の商慣行に全くとらわれない新手の手法を次々と繰り出してきた。対して従来型の商取引を踏襲する経営者たちは、この戦略に振り回されているようにも映る。氏家会長は「放送に触手を伸ばしたということは、大衆の嗜好(しこう)に応えていかなければならない。テレビやラジオの“株主”は出資者でなく視聴者。視聴者の気持ちが離れたら経営破綻(はたん)につながる」という。ニッポン放送OBである脚本家倉本聰さんは「僕はドラマを通して『心を洗う』ことにこだわってきた。今回の騒動は、収益率を上げ、カネもうけしようという最近のテレビの功利主義的な姿勢を突かれてしまった側面を感じる」と語る。
 「放送局はネット事業で何もしていない」。そう堀江氏に決めつけられた民間放送各社は、総じて反発した。「10年も前から通信との連携を進めている」(フジ)、「アニメの動画配信はすでに始めている」(テレビ東京)などだ。確かに各局とも携帯電話やホームページでのニュース配信や番組情報提供、通販などは当たり前になった。
 ただ、巨額の費用を投下して制作した、キラーコンテンツと呼べる番組のネット配信事業は本格化していない。試みの一つとして、TBS、フジテレビ、テレビ朝日の3社は、02年に企画会社「トレソーラ」を設立。過去2回、期間限定の有料配信実験をした。同社の福田泉事業企画室長は「現段階で、収益事業としては時期尚早と判断している」。大きな理由の一つとして挙げるのが、著作権などの権利処理が煩雑なことだ。番組を放送以外で2次利用する場合、出演者や使われる音楽の著作者、実演者などと新たに契約を交わし直さねばならない。だが、そのルールがまだ未整備だ。このほかにも、著作権者が敏感なコピー防止技術や画像処理技術などへの開発コストなどが収益を悪化させる原因という。福田室長は「技術は日進月歩、ルールも次第に整う。その時点で一気に事業化できるよう、準備している」と話す。
 一方で堀江社長の指摘に肯定的な声も聞こえてくる。ネット事業に携わるあるテレビ局関係者は「放送以外にコンテンツを提供して視聴率が下がり、CM収入に響くことを民放は恐れているからだ」という。別の関係者は「視聴者は見たい番組を自由に見たいはず。しかし局側は自らの編成権を奪われたくない。『これを見なさい』という感覚が払拭(ふっしょく)できないんです」と指摘する。テレビ局幹部は言う。「今はあらゆる可能性を検討している時期。ただ堀江氏の登場で、ネット事業への取り組みのスピードが速まる可能性は十分ある」

 なかなか興味深いリポートです。ホリエモンのスピードが速すぎて(僕も含めて)理解されにくかったと思う。ここへきていまだにセンセーショナル的な捉え方が多いが、本質にせまろうとしているものもボチボチでてきた。
 ただライブドアのしていることは、『桶狭間』ではなく源平合戦の「富士川の戦い」といったほうがよいでしょう。つまり、武家対公家(平氏は貴族化していた)という究極の体制変革の勝負であるからです。そして、平氏は水鳥の音に驚き(兵力的に絶対有利にもかかわらず=フジ)大敗してしまうのだった。しかし、ホリエモン源頼朝になれるかそれとも源義仲なのかがわからない。それとも一の谷、屋島壇ノ浦の戦いに勝った源義経のように潮の流れさえ自分の勝機に結びつけられるか。