決戦②

ニッポン放送『新株』差し止め ライブドア、午後請求
 ライブドアは二十四日、フジテレビを引受先とするニッポン放送新株予約権発行は違法として、発行の差し止めを求める仮処分を同日午後、東京地裁に申請する方針を明らかにした。ライブドアは、今後もニッポン放送株の取得を進める方針を変えておらず、ニッポン放送の経営権をめぐる争いは、法廷の場に持ち込まれることになった。
 ニッポン放送は、同社株を40%超まで取得しているライブドアの傘下入りを避けるため、フジテレビを割当先とする新株予約権の発行を二十三日に発表した。
 これに対し、ライブドア堀江貴文社長は「一般投資家を混乱に陥れ、損害を与える可能性がある」と批判し、差し止め請求をする意向を表明。フジテレビの日枝久会長は二十四日朝、「(ライブドアが)訴訟を起こしたら、堂々と受ける」と述べた。
 ニッポン放送が発行する予約権は四千七百二十万株分あり、発行済み株式(三千二百八十万株)の約一・四倍に当たる。すべての予約権を行使すれば、フジテレビの保有比率は過半数を大幅に上回り、ライブドア保有比率は40%超から約16%に低下する。
ニッポン放送株急落
 二十四日午前の東京株式市場で、ニッポン放送の株価は、前日にフジテレビに対して新株予約権を発行すると発表したことが嫌気され、一時前日比六百四十円安の六千百六十円まで急落した。八日にライブドアニッポン放送株の大量取得を発表して以降、最も低い水準となり、フジテレビが実施中のニッポン放送株の株式公開買い付け(TOB)価格の五千九百五十円に近づいた。

 ニッポン放送株の午前の終値は同五百十円安の六千二百九十円。フジが新株予約権を行使すれば、最大で四千七百二十万株が発行されることから、一株当たりの株式価値の低下懸念が売りにつながった。一方、フジテレビ株は同八千円安の二十二万六千円、ライブドア株も同二十三円安の三百三十円とともに下げ、午前の取引を終えた。