* 政治: 希望が大幅後退 立憲民主党民主党)急追


 枝野代表が遊説するところ支持者であふれる。もはや小池氏に希望なし。パリで敗戦の報を聞くのだろう。

東京新聞

 二十二日投開票の衆院選について、本紙は十七日、独自取材に、本紙や共同通信社が行った電話世論調査を加味し、終盤情勢を分析した。与党の自民、公明両党で、定数四六五の三分の二(三百十議席)以上を維持する情勢だ。希望の党立憲民主党それぞれ四十議席超を確保する見通しで、野党第一党の座を争っている。


 自民は今回から定数が六減された二百八十九の小選挙区のうち、二百超で優位に戦いを進めている。定数四減となった比例代表も全国各ブロックで堅調で、安倍晋三首相(自民党総裁)が勝敗ラインに掲げた与党過半数の目標に加え、国会運営の主導権を握る絶対安定多数(二百六十一議席)も単独で得る見通しだ。


 公明は、自民とすみ分けて擁立した九つの小選挙区の一部で劣勢で、比例と合わせても公示前勢力を割り込む可能性がある。
 小池百合子東京都知事が代表を務める希望は、多くの小選挙区で野党間の競合を招き苦戦している。小池氏が七月の東京都議選で旋風を起こした東京都でも、小選挙区での議席の確保に手が届いていない。与党と激しく争う小選挙区もあるが、比例が伸び悩んでおり、公示前勢力を割り込む可能性がある。


 枝野幸男官房長官が代表の立憲民主は、公示前勢力を三倍に増す勢いで自民に次ぐ第二党もうかがう。
 共産党は、米軍新基地建設反対で一致する野党が支援する沖縄1区で優位に立つが、比例では他の野党の勢いに埋没し、前回衆院選の躍進で得た二十一議席の維持は難しい情勢。日本維新の会は地盤の大阪で存在感を示すものの、全国的な支持は勢いに欠け、公示前勢力を維持できるかが焦点だ。


 社民党小選挙区比例九州ブロックで計二議席を獲得する見通し。比例で候補を出した日本のこころ議席獲得は見通せない。新党大地比例北海道ブロック議席が視野に入った。
 無所属は、二十人以上が議席を獲得しそうだ。この中では、民進党出身のベテラン議員が目立つ。


 【議席予測の方法】 衆院選終盤情勢は、本紙が独自に行った二百八十九小選挙区ごとの情勢分析と、比例代表各ブロックの各党の獲得予測議席数に、共同通信社の電話世論調査の結果を加味した上で、十七日に本紙が総合判断してまとめた。
 共同通信社の調査は、十五〜十七日の三日間、全国の有権者を対象に、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。
 今回、無作為に発生させた番号のうち、実際に有権者がいる世帯にかかったのは十四万七千六十三件で、このうち十二万一千四百八十四人から回答を得た。


◆4割 投票先未定 情勢変動も
 共同通信社衆院選について十五〜十七日に、全国の有権者を対象に行った電話世論調査では、投票態度を明らかにしていない人が小選挙区で40・3%、比例代表で40・0%に上った。
 十、十一両日に同社が行った前回調査では、投票先未定は小選挙区で54・4%と半数を超えていた。今回調査でも投票態度を明らかにしていない人は、なお四割程度いた。
 今回の調査で、衆院選に「関心がある」と回答したのは77・6%。前回調査の74・2%から3・4ポイント増えた。終盤情勢では自民、公明両党で定数の三分の二以上の議席獲得をうかがうが、二十二日の投開票日までに情勢が変わることもあり得る。
◆希望「お膝元」 東京全区で苦戦
 衆院選の終盤情勢について本紙が実施した世論調査で、東京都の小池百合子知事が代表を務める希望の党が、「お膝元」の東京で苦戦を強いられていることが分かった。都内二十五の小選挙区のうち、公認候補を擁立した二十三の選挙区は、いずれも当選圏に届いていない。比例代表でも伸び悩んでいる。


 多くの候補が、希望を支持する有権者以外への支持の広がりを欠き、新人は一部を除くと次点も厳しい。前職の松原仁氏(3区)、若狭勝氏(10区)、柿沢未途氏(15区)は、当選圏に入った自民を追う展開。民進を離党し、希望の結党メンバーとなった前職長島昭久氏(21区)が唯一、当落線上で自民と競り合っている。


 小池知事の衆院議員時代の選挙区を引き継いだ若狭氏は、立憲民主の候補にも差を詰められている。
 定数一七の比例東京ブロックでは、希望は三〜四議席にとどまる。自民が五〜六議席を確保する勢いで、これに続く立憲民主も四議席を得る可能性がある。ただ、選挙区、比例代表とも三割以上が投票先未定と答えており、情勢が変わる可能性はある。
東京新聞

  

リンネル 2017年 12月号

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