政治: 「希望」は時代遅れの不寛容保守党


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 希望の党(代表・小池百合子都知事)は3日、衆院選の第1次公認候補192人を発表した。民進党出身者に政策の“踏み絵”を踏ませ、準備を進める中、小池知事が事実上率いる地域政党都民ファーストの会」の音喜多駿都議ら2人が離党する意向を固めた。小池旋風を支えた功労者がその手法に疑問を投げかけたことは、希望の党の今後にも影響を与えそうだ。


 小池氏の「排除する」などの発言で注目された1次公認発表。会見には若狭勝衆院議員、細野豪志環境相玄葉光一郎元外相が並んで臨み、192人のリストを配布した。合流に伴う民進党出身者は計110人。若狭氏は「2次、3次公認も発表し、合わせると(過半数の)233を超える数になる」と述べた。小池氏は都内で報道陣に「同じ方向を向きながら、それぞれが戦える態勢を整えたい」と語った。“仕分け”が進み、満足げな表情を見せたが、足元は大揺れだ。


 都民ファからの離党の意向を固めたのは、音喜多氏と上田令子都議。昨年夏の都知事選で小池知事への支援を「いの一番」に表明し、行動を共にしてきた2人。音喜多氏は「離党を検討していることは事実。現在は都議会開会中なので一両日中に決めたい」とコメント。一方、上田氏は「議会での質問内容を会派にチェックされ、文書質問も禁じられるなど議員活動を阻害された。これでは都民に大切な情報を届けられない」と説明した。5日の都議会閉会日に離党届を提出する。関係者によると、一部の幹部で新代表が決まり、所属都議にはメールで事後報告だったり、自由な発言を制限する取材規制を敷くなどの強硬路線に2人は疑問を感じていたようだ。


 音喜多氏は積極的なメディア対応で党に貢献してきたが、最近ではテレビ番組への出演がなくなっていた。テレビ関係者は「党の規制が厳しくなったと感じていた」と話す。


 小池氏の言動には批判も増加。「一部で都の政策を決める」という指摘がある中、先月25日に「希望の党」の立ち上げを発表した際、若狭氏に会見を知らせたのも直前。情報漏れを懸念した結果と思われるが、政界関係者からは「閉鎖的」の声が上がる。若狭氏と細野氏が調整を続けた党綱領を「リセットする」としたほか、民進党出身のリベラル派の公認に関しては「排除する」とも語るなど、強い言葉が目立つ。


 「排除」してメンバーを選んだものの、アドバイスを受ける存在の細川護熙元首相から毎日新聞のインタビューで「こざかしい」と批判された小池氏。身内の離反の痛打も受け、希望の党を一枚岩に保てるのだろうか。<<