北朝鮮問題 このミサイルに反応は?

【ソウル時事】韓国軍や日本政府によると、北朝鮮は14日午前5時28分、北西部の平安北道・亀城から弾道ミサイル1発を発射した。


 記者会見した菅義偉官房長官によると、ミサイルは亀城から東北東へ約800キロ飛んで、朝鮮半島東方約400キロの日本海上に落下したとみられる。飛行時間は30分間で、落下地点は日本の排他的経済水域EEZ)の外と推定される。

 韓国で革新系「共に民主党」の文在寅大統領が10日に就任後、北朝鮮弾道ミサイル発射は初めて。米韓両軍はミサイルの種類などの分析を進めている。

 稲田朋美防衛相はミサイルに関し、新型で高度が2000キロを超えたと推定され、通常より高い高度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射された可能性があるとの見方を示した。米太平洋軍によれば、大陸間弾道ミサイルICBM)ではないとみられる。

 安倍晋三首相は14日朝、記者団に対し、北朝鮮弾道ミサイル発射について「断じて容認できない。強く抗議する」と非難。「米国や韓国と連携しながら高度な警戒態勢を維持し、国民の安全確保に万全を期していく。北朝鮮に対し毅然(きぜん)として対応する」と述べた。日本政府は北朝鮮側に厳重に抗議するとともに、首相官邸国家安全保障会議を開いた。

 一方、韓国では文大統領が弾道ミサイル発射の報告を受け、国家安全保障会議NSC)を主宰した。文氏は10日、「条件が整えば平壌も訪れる」と述べ、対話路線を重視している。北朝鮮はミサイル発射で挑発継続を強調した形だが、韓国の出方を見極める狙いもあるとみられる。