商売上手 ポケモンGoを活用


千林商店街は 「ダイエー発祥の地」。また、豹柄(ひょうがら)の服装で堂々と歩くオバチャンたちで有名。大阪市東部。


朝日新聞

 スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」を使った集客イベントで、7月30日と31日、大阪市旭区の千林(せんばやし)商店街に多くの愛好家が「出現」した。客足はふだんの休日の2〜3倍で、企画した商店街振興組合IT部長の柏木孝之さん(49)が経営するカバン店は31日、売り上げが1・7倍に。日本茶店では、抹茶ソフトクリームが3倍の150個以上売れたという。


 イベントは7月30日と31日に開かれた「モンスター取り放題!!」。ゲームはスマホのGPS機能が活用され、約660メートルのアーケードが続く商店街内には、画面上、ゲームを有利に進めるアイテムがもらえる「ポケストップ」が11カ所設定されている。そこで商店街側がポケモンを呼び寄せるゲーム上の有料アイテム「ルアーモジュール」をスマホで買い、ポケモンがたくさん現れる場所を、ポケストップ周辺につくった。

 狙いは成功。スマホを手にした若者や親子連れが押し寄せ、ツイッター上では「あったまいい〜」「大阪人の商魂さすが」など好意的な反応が相次いだ。


 ログイン前の続きイベントは2日間とも午前10時〜午後7時。柏木さんが自身のスマホを片手に全11カ所のポケストップを1カ所ずつ訪ね、アイテムを使う。アイテムの効果は各ポケストップ周辺でそれぞれ30分間持続するため、時間切れになる前に11カ所目から1カ所目に戻る。これを繰り返し、11カ所すべてで9時間にわたりポケモンを出現させ続けた。

 柏木さんは2日間で商店街を36往復し、396個のアイテムを使った。購入費2万8800円は商店街の予算で賄った。トラブル対応を想定し、スーツ姿で汗だくになった柏木さんにもご褒美が。最後の36往復目、うなぎ屋の前に、人気キャラクター「ピカチュウ」が出現したのだ。情報は瞬く間にインターネットで広がった。柏木さんもちゃっかり捕まえたという。


 ツイッター上でも話題となり、わずかな予算で効果は上々。柏木さんは「面白がって拡散してもらい、全国に千林商店街の名が広まった」と、効果を実感していた。