大記録も視界に イチロー

マーリンズ2−8ナショナルズ」(22日、マイアミ)


 マーリンズイチロー外野手(42)はナショナルズ戦に「1番・左翼」で出場し、4打数2安打。前夜の4安打に続くマルチ安打で打率を・382(55打数21安打)とした。メジャー通算安打数を2956本とし、ウィリー・キーラーを抜いて歴代32位(大リーグ機構公認の米記録専門会社による)に浮上。日米通算は4234本となり、P・ローズのもつメジャー最多通算安打記録まであと22本とした。





【写真】浴衣美女もイチローに声援


 前日に背中の違和感を訴えた正左翼手のイエリチがこの日も欠場。4月28、29日以来の2戦連続先発出場となったイチローは初回の打席で中前打。昨季は2度のノーヒットノーラン、今季はメジャー最多タイの1試合20奪三振を記録しているエース右腕、シャーザーに対し、ワンボールからの2球目、真ん中の151キロ速球をライナーでセンターへ弾き返した。

 本拠地にブーイングが起こったのは四回だ。ツーボールワンストライクからの4球目、137キロスライダーを打って出て三ゴロ。三塁手の前に転がった打球に快足を飛ばして一塁を駆け抜け、一旦はセーフと判定されたが、敵軍がチェレンジ権を行使し、ビデオ裁定でアウトに覆った。

 6点を追う六回2死走者なしの打席は右前打。カウント1−1からの3球目、内角高めの151キロ速球を鋭く弾き返すと、打球は一、二塁間を真っ二つに割った。

 シャーザーと4度目の対決となった八回は1死一塁の場面で左飛。初球、内角低めの151キロ速球を積極的に打って出たが、左翼手ほぼ定位置の飛球となった。


 今季初の2戦連続マルチ安打。最近5試合(先発2試合、代打3試合)に限れば11打数8安打とヒットを量産している現状を問われたイチローは「お伝えすることないです。ごくごくノーマルくらいですかね」と話した。


 この日は先着1万2千人の来場者に安打数表示板付きイチロー首振り人形が配られた。また、「ジャパニーズ・ヘリテージ(日本の伝統)・デー」と題したイベントが開催され、在マイアミ日本国総領事の岡庭氏が始球式に登板。浴衣姿の観客がイチローに声援を送った。