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トランプ氏が外交政策 「同盟国は米軍駐留費負担を」 2016/4/28 9:16日本経済新聞 電子版


 【ワシントン=川合智之】米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は27日、首都ワシントンで外交政策について演説し「米国が第一だ」と強調した。日本など同盟国に駐留米軍の費用負担を求め、支払わなければ撤退すると改めて表明した。トランプ氏は政策が不透明だとの指摘に応え演説したが、「具体策に乏しい」(米メディア)との批判も出た。

27日、外交政策について演説するトランプ氏(ワシントン)=ロイター
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27日、外交政策について演説するトランプ氏(ワシントン)=ロイター
 演説では「今の外交政策はまったくひどい。洞察や戦略、指し示す方向、一貫性がない」とオバマ大統領やヒラリー・クリントン国務長官(68)の政策を批判。「大統領になったらすべてを変える」と表明した。

 トランプ氏は「我々は欧州やアジアの強力な防衛に数兆ドルを使っている」とも指摘。北大西洋条約機構NATO)加盟国などの財政負担が足りないとして「コストを払わないなら自衛させる」と警告した。

 トランプ氏は過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を外交政策の主目標に置くと指摘。「ISの死期は近い」と訴えたが、具体的な作戦は示さなかった。

 中国やロシアとは「共通の利益に基づく一致点を探る」と述べ、関係を改善すると表明した。米軍と国家経済の再建の両立を掲げ「米経済を再び強くするため、貿易、移民、経済政策も変えなければならない」と経済を重視する姿勢をみせた。

 トランプ氏は指名獲得をにらんで安心感を打ち出す狙いから、選挙対策のベテランを新たに雇い、原稿を映し出すプロンプターも使用した。これまで物議を醸してきたイスラム教徒の入国禁止や不法移民の強制送還、日韓の核武装容認などの持論には触れなかった。