増田明美さんと陸連幹部がバトル

2015年3月11日

 日本陸上連盟は11日、都内で理事会を行い、8月に中国・北京で行われる世界選手権の男女マラソン代表各3人を決定した。


 会見では女子の選考を巡って、陸連幹部と解説者の増田明美さんが“バトル”を繰り広げた。

 女子は名古屋ウィメンズで日本女子8年ぶりの2時間22分台を記録した前田彩里(23)=ダイハツ=、大阪国際で日本人トップの重友梨佐(27)=天満屋=、名古屋で日本人2位だった伊藤舞(30)=大塚製薬=を選出。男女の選考会で唯一優勝した横浜国際覇者の田中智美(27)=第一生命=は外れた


田中の選考外について増田さんは「びっくりしました。なぜ同じ26分台で大阪で3位だった重友さんなんでしょうか?」と質問。陸連の酒井強化副委員長は「前田、伊藤、重友は我々の設定している22分30秒を目指す走りだった。優勝は評価するが、田中選手の走りは世界と戦うという意味では内容は物足りないものがあった。出ていた選手のレベルも若干劣っていたというのもマイナス要素」と説明したが、増田さんは「重友さんは確かに復調の兆しがあったが、まだまだのように見えた。優勝した田中さんには圧倒的な強さがあったと思う。これで本当にいいのでしょうか」と納得はしなかった。

 酒井副委員長は「我々も現場のプロ。世界を目指す上で、評価した」と再び説明し、その場のやりとりは終わった。


 その後も陸連側は、陸連の派遣設定記録の2時間22分30秒を目指した走りを評価したと説明。増田さんは最後に再び手を上げ、「最初からハイペースでいけば、世界と戦えるのか。世界を見ると、後半上げていくことを重視している選手もいる。この説明を聞いても、すっきりしないです」と、嘆いた。

 世界選手権は最終日の30日、女子マラソンが行われ、日本勢は世界選手権出場2回目の伊藤選手、日本歴代8位の記録を持つ23歳の前田彩里選手、ロンドンオリンピック代表の28歳の重友梨佐選手の3人が出場しました。


 レースは序盤から遅いペースで進み、日本勢は15人ほどの先頭集団につけて一時は集団のトップに立つなど積極的な姿勢を見せました。しかし、33キロ付近で外国人選手6人がペースを上げたため日本勢は3人ともついていけなくなりました。


 それでも終盤、伊藤選手が粘りを見せて2時間29分48秒のタイムで日本勢最高の7位に入り、入賞を果たしました。前田選手は13位、重友選手は14位でした。この結果、伊藤選手がリオデジャネイロオリンピックの日本代表に内定しました。