スイスを撃破しろ 澤 穂希(ほまれ)


江橋よしのり

 後半12分に、澤はピッチを退き、川村優理と交代した。佐々木監督は「ウォームアップの時から少し体が重たそうだったことと、(相手が攻勢を強めて)ハードな展開になったことを考慮して、けがにつながる前に交代させた」と、その意図を説明したが、澤本人は自身のプレーに不満はなかったはずだ。


 彼女ほどの選手ならば、「もっとやれるのに、まだまだ僅差なのに、どうして私が交代?」と思ってもおかしくないし、1−0でリードしている展開ならば、遅延行為とみなされない程度にゆっくり交代に時間をかけても許されるはずだ。


 しかし、彼女は笑顔で走って交代した。


「だって優理がW杯初出場で緊張している感じだったから」


 これから初舞台を踏む後輩に、「W杯のピッチは、楽しい場所なんだよ」と伝えたくて、澤は笑顔を振りまいたのだ。澤はいつも、言葉ではなく、行動や表情で大事なことを伝える。それができるベテランがいるチームは、やはり頼もしい。

見事に撃破
NHK

 サッカー女子のワールドカップカナダ大会で、日本代表の「なでしこジャパン」は、1次リーグの初戦でスイスと対戦し、1対0で競り勝って、大会連覇に向けて好スタートを切りました。グループCの「なでしこジャパン」は、バンクーバーで1次リーグで最も重要だと位置づけているスイス戦に臨みました。


 先発には36歳の澤穂希選手が入り、6回目のワールドカップ出場を果たすとともに、男女を通じて日本代表としては初めての200試合出場を達成しました。また、ゴールキーパーには山根恵里奈選手、右サイドバックには有吉佐織選手と前回大会を経験していない選手も起用されました。


 日本は、序盤から長身のディフェンダーが多いスイス対策として練習してきたすばやく相手の裏を突く攻撃や、サイドからの攻撃でペースをつかみました。そして、前半29分に、相手の守りの裏へ抜け出した安藤梢選手がゴールキーパーに倒されて得たペナルティーキックを、キャプテンの宮間あや選手が決め、1点をリードして前半を折り返しました。


 後半はスイスのバッハマン選手のスピードのあるドリブル突破に再三、苦しめられましたが、複数の選手が連係した守りで、何とかしのぎきりました。日本は1対0で競り勝って、大会連覇へ向け、好スタートを切りました。日本の1次リーグ第2戦は、日本時間の今月13日で、相手は初戦でエクアドルを破ったカメルーンと対戦します。



毎日新聞

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で、1次リーグC組で連覇を目指す日本代表(なでしこジャパン)が8日午後7時(日本時間9日午前11時)から、バンクーバーでスイスと対戦。先発メンバーには6大会連続出場で代表通算200試合出場となる澤や150試合出場の宮間らが起用された。


日刊スポーツ 6月9日(火)6時19分配信

 MF澤穂希(36=INAC神戸)にとって6大会連続となるW杯がいよいよ始まる。女子W杯カナダ大会で連覇を狙うFIFA(国際サッカー連盟)ランク4位のなでしこジャパンは、8日(同9日)に1次リーグC組初戦でスイス(同19位)と対戦する。本番会場のBCプレースで前日練習を行った澤は、女子サッカーの未来を背負い、頂点に挑む決意を表明した。


 MF澤は決勝会場でもあるBCプレースの人工芝ピッチに、初めて足を踏み入れた。


 澤 いよいよだなという感じ。一番高い頂点を目指してやる。まだまだ男子に比べると良い環境ではない。でも少しずつ良くなっている。今後の子どもたちのために、女子サッカーを発展させられればいい。そのためには結果を残すことがすべて。


 11年W杯ドイツ大会初優勝、12年ロンドン五輪銀メダル。エースとして日本女子サッカーを世界にアピールした。33歳だったロンドン五輪後「もう1度、米国に勝ちたい。(親友のFW)ワンバックと対戦したい」と奮起し、再スタートを切った。スイス戦はボランチでの先発出場が確実だ。W杯6大会連続出場に加え、日本男女史上初のAマッチ200試合出場も達成する。



東京ディズニーリゾート便利帖<第3版>

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