もはや 『殺人病院』?

 成功に自信がないならするべきではない。どこまで患者側にリスクを伝えたのか?

 神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市)は5日、生体肝移植を実施した兵庫県西宮市の男性(63)が死亡したと発表した。
 男性の手術は、同センターで生体肝移植を受けた患者8人中4人が術後1カ月以内に死亡した問題を受け延期されていたが、今月3〜4日に実施された。 (2015/06/05-10:34)


続報 NHK

 神戸市の病院で肝臓の移植手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、病院は「安心して手術を受けてもらえる体制が整った」などとして、今月手術を再開しましたが、再開後の1例目として3日から4日にかけて手術を受けた63歳の男性が、5日死亡しました。


病院は5日午後記者会見し、詳しい経緯を説明することにしています。この問題は「神戸国際フロンティアメディカルセンター」で肝臓の移植手術を受けた患者4人が相次いで死亡したものです。
専門の医師で作る日本肝移植研究会は、病院の体制が不十分で、体制が整うまで移植手術を中止すべきだと指摘していましたが、病院側は今月2日、ほかの施設の医師が新たに参加するよう体制を充実させ、「安心して手術を受けてもらえる体制が整った」などとして、手術の再開を発表していました。
5日に死亡したのは、再開後1例目となった兵庫県の63歳の肝臓がんの男性で、3日から4日朝にかけて妻から肝臓の一部を移植する生体肝移植の手術を受けていました。
この病院で行われた生体肝移植の手術は、去年11月の病院設立以降、今回が9例目となり、このうち半数以上の5例で患者が手術後1か月以内に死亡したことになります。
この問題を巡っては、神戸市が近く病院への立ち入り検査を行うことにしていますが、検査の前に手術を再開したことについて、病院は「患者の状態もあり、手術を行うことを決めた。万全の体制で臨みたい」と説明していました。


研究会の報告書に反論
神戸国際フロンティアメディカルセンター」では、ことし3月までに生体肝移植の手術を受けた患者7人のうち4人が、いずれも手術後1か月以内に死亡し、専門の医師で作る日本肝移植研究会は「病院の体制が不十分で死亡した4人のうち3人は手術の計画や術後の管理などに問題がなければ助けられた可能性がある」などとする報告書をまとめていました。
調査を受けて病院側は手術を中断していましたが、報告書の内容に対しては「ほかの病院の医師によるサポートを常に得ていて、十分な管理体制だった」などと反論し、さらに今月2日には「安心して手術を受けてもらえる体制が整った」として再開する意向を表明しました。
今回の手術は再開発表の翌日に行われたもので、再開後1例目の患者が手術直後に死亡したことになります。


移植学会理事「問題がなかったか検証」
患者が亡くなったことについて日本移植学会の湯沢賢治理事は「再開後、1例目で手術直後に患者が亡くなってしまったことは遺憾だ。手術の計画や体制に本当に問題がなかったか、今後検証していく必要がある」と話しています。


死亡した男性の家族は
死亡した男性の家族は「今回の結果は残念です。でも本人も移植手術を受けられたことで生きる希望を持てました。一切の悔いはありません。最期までできるかぎりの努力を尽くしてくれた病院の医師と医療スタッフに心から感謝しています」とするコメントを弁護士を通じて出しました。