これから毎日が イチローの記念日
現地時間5月18日、地元マイアミでのダイヤモンドバックス戦で、イチロー(マーリンズ)がベーブ・ルースの通算2873安打というメジャーリーグ歴代42位の記録に並んだ。
イチローは今、通算安打記録ランキングの階段を急速に駆け上がっている。と言うのも、歴代38位のザック・ウイート(2884安打)まではわずか11本だし、その記録を更新するのは近日中だろう。通算2900安打を超えてからも歴代28位で通算3000安打ちょうどのロベルト・クレメント(パイレーツ)まで10人がひしめいており、もしもイチローが来年も現役を続けていれば、追い抜くのが可能な記録が続く。
(40位 オマール・ビスケル2877 39位 フランキー・フリッシュ2880)
ルースはかつて「単打だけ狙ったら、(打率)6割は打てる」などと言ったことがあるらしい。「自分の持ってるものすべてを出して大きく振る。デカいのを打つか、とんでもなくミスするかだ」というようなことさえ言ったという伝説のスラッガーだ。
だから、『本塁打王が安打量産マシーンになることは可能なのかも』などと信じてしまいそうになるが、事実としてルースは打率6割なんて打ったことがない。
だからというわけではないが、ルースとイチローを打者として比較すること自体には、あまり意味はないと思う。意味があるとすれば、イチローのようなベテランの名選手が歴代記録に並んだり破ったりすることで、過去の名選手の記録が再認識されるという部分ではないかと思う。
たとえばイチローが次に抜く(であろう)メル・オット(歴代41位の通算2876安打)をネットでリサーチすれば、ジャイアンツがまだニューヨークに本拠地を置いてた頃の名選手であることや、当時のジャイアンツが現在ヤンキースタジアムがあるブロンクスとは川を挟んだ至近距離に本拠地を置いていたことが分かる。
ところでルースと言えば、「本塁打か三振か」というイメージを持ちそうだが、実は実働22年で通算1330三振と意外に少なく、メジャー歴代では111位だから、実働13年で1346三振というメジャー歴代102位のミゲール・カブレラ(タイガース)よりも少ないというようなことも分かる。イチローは通算952三振で歴代310位。現役では通算2109三振で歴代5位のアレックス・ロドリゲスを筆頭に、40人近くの現役選手がイチローよりもすでに多くの三振を喫しているのが分かったりもして、面白い。
それにしても、イチローがルースの通算安打記録に並んだ日の監督が、プロ野球で指導経験のないダン・ジェニングス前GMになるとは、面白いを通り越して呆気にとられるばかりだ。
(文中敬称略)
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