これが はしもと流の民主主義

 大阪市橋下徹市長(大阪維新の会代表)は16日、大阪都構想への反対方針を決めた市の自治会組織「地域振興会」(地振)に対し、補助金停止の検討を指示した。市幹部の説得で最終的に見送ったが、来月の住民投票を前に反対論を封じる姿勢が強まっている。

地振は14日、全24区の代表者を集めた会合で「十分な説明がなく、拙速に大阪市を廃止しようとしている」として都構想に反対することを決めた。


 この動きを受け、橋下氏は16日、維新幹部らに宛てたメールで「反対運動をやると全市民参加を前提としている町内会等の地域団体への補助金が止まる可能性がある」という趣旨の文書を地振側へ送るよう要求。市幹部には、地振などで構成する地域活動協議会の補助金支出のルールに「構成メンバーの政治的中立」を盛り込む検討を指示した。しかし、市幹部が「構成団体の政治活動まで縛れない」と説明し、断念したという。


 地振幹部は「もし補助金を削減すれば地域の行事が減るだけで納税者が怒るだろう」としている。


 また、橋下氏はこの日の住民説明会で「質問の時間を設けるが、この場で反対の方との議論は基本的にはしない」と主張。質疑で出る反対意見には答えない考えを示したものだ。(上田真由美、南彰)