糖尿病患者に朗報か

 糖尿病患者に起きやすい睡眠障害を治療することで、糖尿病そのものが改善する可能性があるとする研究成果を、大阪市立大の稲葉雅章教授らのチームが発表した。


 発表によると、睡眠中の糖尿病患者63人の脳波を測定。病気の指標となる血糖値の悪化に伴って眠りが浅くなり、不眠症などの睡眠障害になりやすいことがわかった。睡眠障害になると早朝に血圧が高まり動脈硬化が進むほか、血糖値もさらに悪化する悪循環に陥っていた。糖尿病患者数人に睡眠障害の投薬治療を行うと、血糖値が改善したという。今後、さらに多くの患者について、動脈硬化を抑える効果なども調べる。


 糖尿病の治療は、血糖値を下げるインスリンの注射が中心で、睡眠障害は積極的に治療されてこなかったという。稲葉教授は「糖尿病と睡眠障害は密接に関連しており、両方を治療することが重要かもしれない」と話している。

2015年04月14日 08時07分 Copyright © The Yomiuri Shimbun