おめでとう

韓国のインチョン(仁川)で開かれているアジアパラ大会は6日目の競技が行われ、陸上女子砲丸投げで、東日本大震災の被災地、宮城県出身の加藤由希子選手世界新記録で金メダルを獲得しました。


宮城県気仙沼市出身の21歳、加藤選手は東日本大震災で自宅が大きな被害を受け、避難所での生活も経験しました。砲丸投げでは砲丸を持たない左腕を力強く振ってその反動も使って投てきしますが、右手で砲丸を投げる加藤選手は左腕のひじから先がありません。左右の筋力のバランスの悪さが課題だった加藤選手は、筋力トレーニングの際に左腕に特別な義手をはめて練習を積んだことでバランスが良くなり、これまで非公認ながら自らが競技する障害のクラスの世界記録を上回る記録をマークしてきました。

そして23日の試合では、2投目で12メートル21センチをマークして、ドイツの選手が持っていた世界記録を28センチ更新して金メダルを獲得しました。


加藤選手は「きょうは投げる感覚がよくなかったので世界記録が出るとは思いませんでした。トレーニングの結果、力がついてきたと思います。金メダルの目標を達成したので胸を張って地元に帰れます」と笑顔を見せていました。