反日はいいが プロのやり方ではない  韓国ホテル

 在韓日本大使館は11日、ソウル市城北区内の日本大使公邸で「自衛隊の日」(自衛隊創立記念日)記念レセプションを開催した。当初、ソウル市中区内のロッテホテルで開かれる予定だったが、一部メディアがレセプション開催の予定があることを報道したところ抗議が相次ぎ、同ホテル側が開催前日の10日になって会場提供を拒否したため、場所が変更された。在韓日本大使館は毎年「自衛隊の日」にレセプションを開いており、昨年もロッテホテルで開催されている。菅義偉官房長官は「(ロッテ)ホテル側が開催前日になってこのような措置を取ることは極めて遺憾だ」「ホテルには抗議したが、韓国政府にも懸念をはっきり伝えたい」と述べた。


 世界各国にある日本公館では毎年「自衛隊の日」(7月1日)と明仁天皇の誕生日(12月23日の前後にレセプションを開いている。韓国の「国軍の日」に相当する「自衛隊の日」は大使館の武官が主導し、韓国に滞在する日本企業関係者・報道関係者のほか、韓国の軍人・外交官・政治家・学者・駐韓外交官らを招待してきた。ある元外交官は「日本大使が簡単なあいさつをし、食事を共にする社交の場。集団的自衛権のような問題が取り上げられるような場ではない」と説明する。


 毎年開催されてきた行事が今年特に注目されたのは、安倍晋三内閣が今月1日「集団的自衛権の行使は日本国憲法に反していない」と容認する判断をしたためだ。

 レセプション前日にロッテホテルが一方的に会場提供を拒否したことについては意見が分かれる。野党・正義党の朴元錫(パク・ウォンソク)報道官は「自衛隊創設60周年記念行事をソウル市内のホテルでするということ自体が、反日感情を刺激する可能性がある事案だった」と語った。韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会など一部の市民団体は、ホテルが会場提供を拒否したことを歓迎しており、さらに「韓国でこうした行事を開くべきではない」との見解を示している。

 一方、ソウル大学のパク・チョルヒ教授は「日本の集団的自衛権行使に対し、国内外に懸念があるものの、毎年行われてきた大使館行事をホテル側が開催直前に一方的に拒否するのは、両国間に不必要な誤解を生む可能性がある」と懸念した。毎日新聞の澤田克己ソウル支局長は「昨年から会場を予約してあったのに、前日に覆したということで、日本人の間には『韓国は信じられない』『(ホテル側は)プロらしくない』といった認識を与えるのではと懸念している」と語った。世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本センター長は「日本国内の極右政治家やマスコミがこの出来事を口実に『両国関係を台無しにした責任は韓国にある』という嫌韓認識を広めるかもしれない」と指摘する。このため、国際社会に対し「韓国は日本に関する事案にはとにかく全て反対し、ケチをつける」という認識を与える可能性もあるとの指摘も出ている。


 韓国の海外公館は、毎年「国軍の日」(10月1日)と「開天節」(韓国の建国記念日=10月3日)を記念し「国慶節レセプション」を開いている。在米韓国大使館など規模の大きい公館ではケネディ・センターなど大規模な会場やホテルを借りることもある。11日に日本大使公邸で開かれた自衛隊創設記念レセプションには、韓国政府から国防部(省に相当)の大佐級武官や外交部の日本担当書記官らが出席した。

パク・スチャン記者

朝鮮日報朝鮮日報日本語版