素晴らしかった コスタリカ  W杯

 どうも すぐ飛ぶ ロッペンが好きになれない。ゆえに コスタリカを応援。


フットボールチャンネル7月6日(日)

 「みんなの力が一つになった時、大きな力が生まれる」
 W杯優勝経験を持つウルグアイ、イタリア、イングランド、そしてユーロ王者であるギリシャにオランダと、コスタリカヨーロッパの強豪国と互角以上の戦いを演じ、記録上では無敗のまま終戦を迎えることとなった。


大会を通じて抜群の機能性を見せた組織的な守備は最後まで崩れず、失点はウルグアイ戦のPKと、ギリシャ戦のパワープレーに屈した計2ゴールのみ。

 キャプテンのブライアン・ルイスが「人生を懸けた戦い」と語ったオランダとの準々決勝も、危ない場面は多々ありながらもゴールを許すことはなく、13個のオフサイドを奪取するなど強気な姿勢を見せ続けた。惜しくもPK戦で敗れたが、戦いを終えた選手たちに涙はない。

「我々は負けなかった。今回のW杯では素晴らしい経験をさせてもらえた。全力を尽くして戦ったし、サポーターも応援してくれた。みんなの力が一つになった時、大きな力が生まれる」

そう振り返った守護神ケイロール・ナバスを始め、選手全員が客席からのスタンディングオベーションに堂々とした態度で応え、満足げな表情を浮かべていた。

 コスタリカ国民の間にも、素晴らしいパフォーマンスを見せ続けた代表チームをたたえる声が広がっている。

 一般紙『エル・ナシオン』のWEB版は、「冒険は終わった。しかし代表チームの伝説は永遠に生き続けるだろう」という見出しで試合のレビューを掲載。「ありがとうセレ(代表チームの愛称)! 素晴らしい物語だった!!」という感謝の言葉で締めくくっている。

 大衆紙『アル・ディア』のWEB版を見ると、コスタリカはオランダよりもはるかに優れていた、という論調の記事が目を引いた。

ガリア・モラーダのほうがチューリップよりも美しく咲き誇った。ゴーダチーズは穴だらけだったが、トゥリアルバのチーズは粘り気があった。チリポ山が低地の国を見下ろしていた」


ガリア・モラーダというのはコスタリカの国花で、和名は「ムラサキヒノデラン」。その名のとおり紫色の美しい花を咲かせる。トゥリアルバは牧畜業が盛んな場所で、濃厚なチーズが名産だ。

 チリポ山は標高3820メートルの国内最高峰。山頂からは西に太平洋、東にカリブ海が見渡せる。名所や特産品に例えつつコスタリカの優越性を説いたこの一文は、国民にとって痛快だったに違いない。

 代表チームは8日早朝にサンパウロを発ち、ペルーのリマ経由でコスタリカに戻る予定だという。

 ヒーローたちの帰還を迎えるべく、空港には多くのファンが詰めかけるだろうし、同国サッカー連盟は空港からサンホセ市の中心部にあるエスタディオ・ナシオナルまでのパレードを計画しているようなので、こちらも熱狂の渦に包み込まれるはずだ。

 勇敢に戦って散ったメキシコやチリは、帰国時に国民から熱烈な歓迎を受けている。コスタリカでも似たような光景が繰り広げられるのは間違いない。