日曜日に日本中を暗くし 金曜日は 落胆させた 決めきれない日本 W杯


NHK

 サッカー日本代表ワールドカップブラジル大会の1次リーグ第2戦で、ギリシャに引き分けて勝ち点1を挙げ、決勝トーナメント進出へ望みをつないだものの、退場が出て1人少ない相手の守りを崩しきることができないなどもの足りなさを感じる結果となりました。


 日本は初戦でコートジボワールに敗れ、ギリシャ戦は負ければ1次リーグ敗退が決まる厳しい状況でした。ザッケローニ監督は初戦から先発メンバー2人を入れ替え、フォワードの香川真司選手に代わって大久保嘉人選手をディフェンダー森重真人選手に代わって今野泰幸選手を起用しました。また、大久保選手を右サイドに置き、岡崎慎司選手を左サイドに、守備的ミッドフィールダーの左右を入れ替え山口蛍選手を左側、長谷部誠選手を右側とする布陣で臨みました。


 試合は、守りを固めてカウンター攻撃を狙うギリシャに対し、日本はサイドからのクロスボールなどで相手の守りを乱そうという作戦でした。前半38分にギリシャに退場者が出て、日本は1人多い状況となって攻勢を強めましたが、守りを固めたギリシャを崩しきることはできませんでした。


  ボールの保持率は日本が68%と圧倒し、またシュートの数も相手の倍近い16本に上ったものの、最後までゴールを奪えず両チーム無得点で引き分けました。


 試合後、エースの本田圭佑選手は「攻撃のアイデアが足りなかった」と振り返り、ザッケローニ監督も「2試合続けて、攻撃にスピードがなかった」と課題を口にしました。


 日本は初戦のコートジボワール戦で目指してきた選手が連動してボールを奪い、そこから素早くパスをつないでゴールに迫るという攻撃的なサッカーをできず、第2戦での巻き返しを誓っていましたが、この試合ももの足りなさを感じる結果となりました。


 キャプテンの長谷部誠選手は「次の試合に向けてやらないといけないことははっきりしている。たくさん得点することで1次リーグ突破の可能性が広がるので『ゴールをするんだ』という強い気持ちを出していきたい」と決意を新たにしました。


 日本対コロンビアの1次リーグ最後の第3戦は24日、日本時間25日午前5時から行われ、日本はこの試合に勝ったとしても同じグループのコートジボワールギリシャの結果などによっては、1次リーグ敗退が決まる厳しい状況です。


 屈指の攻撃力誇るコロンビア
 日本が1次リーグの最終戦で対戦するコロンビアは、世界ランキング8位で、4大会ぶり5回目の出場となる今回は1990年のイタリア大会のベスト16を上回るベスト8以上が目標です。


 今大会屈指の攻撃力を誇り、第1戦のギリシャ戦は3対0で勝利、第2戦のコートジボワール戦も2対1で勝って、すでに決勝トーナメント進出を決めています。なかでも、司令塔のロドリゲス選手はこの2試合、連続でゴールを決めています。選手のなかには、本田圭佑選手や長友佑都選手と同じチームでプレーする選手もいるため日本の特長はよく研究されていると見られます。

W杯1次リーグC組 日本0―0ギリシャ (6月19日 ナタル

 初戦のコートジボワール戦で逆転負けを喫し、勝つしかないギリシャとの第2戦でスコアレスドロースポニチ本紙評論家の川本治氏(62)は「チャンスがなかったわけではない。(W杯を戦う日本代表という)レベルで“惜しい”はいらない」。」と日本代表の決定力のなさを嘆いた。


 前半19分にはサイドチェンジから大久保が落とした決定的な場面で大迫が左足シュート。「“惜しい”じゃない。ここで決めるかどうかで彼の真価が問われる。彼は次もチャンスがあるかもしれない。だが、そうじゃない」。後半23分には、途中出場した香川のロングパスから内田のラストパス。ここで大久保が左足でシュートを打って外したが、これも「決めないとダメ。“惜しいはいらない日本代表”という気がする」と厳しく指摘した。


 前半38分にはギリシャカツラニスが2枚目の警告で退場。日本は11対10で試合の半分以上を戦った。「日本は勝たなければいけない試合。だが、勝たなければいけないのはギリシャも同じだった。ギリシャはもともと守備の堅いチームだが、1人いなくなったことでチームが逆に締まった」と川本氏は振り返る。「そして、日本はそれにはまってしまった」。最後まで日本の数的優位を感じることはできなかった。


「いいクロスはそんなに入らなかったが、なかったわけではない。だが、クロスのニアに誰も入らない。信じられない。ゴール前はギリシャの白いユニホームばかりが目立って、日本の青いユニホームは目立たなかった。せっかくコーナーキックを取っても、ショートコーナーばかり。守られて、ボールを取られて、戻って…とその繰り返し。もっとシンプルにいけばいいのにと思った」と首をひねった。