レッズの対応

今後について
これまでの度重なるサポータートラブルに加え、「差別的行為」という重大事案の発生により、浦和レッズはJリーグの一員、スポーツクラブのひとつとしての存在意義を失うという深刻な危機に直面していると認識しております。


浦和レッズは今回の事案を機会に生まれ変わることを宣言します。スポーツはどうあるべきかを抜本的に見つめ直し、本当の意味でのプロサッカークラブとなるための取り組みを新たに展開します。老若男女すべての人々が楽しむことが出来、すべての人が差別なく公平に扱われるスタジアム、スポーツがあることの幸せを感じられるホームタウンになることが、「安全で快適なスタジアム」であり「Jリーグ百年構想」の具現化であります。実現に向けて不退転の決意で全力で取り組みます。
差別に関しては、FIFA規程の趣旨に基づき「人種、肌の色、性別、言語、宗教、又は出自等に関する差別的あるいは侮辱的な発言又は行為」を撲滅し、「個人あるいは団体の尊厳」を徹底的に守ることを目指します。


「スポーツは闘いです。しかしそこにはルールがあります」という精神をもとに実施する国連プログラム「SPORTS FOR PEACE!」プロジェクトを通じて、スポーツの素晴らしさを浦和レッズが実践することはもちろんのこと、サポーターをはじめ、わたしたちに関わる全ての人がスポーツの素晴らしさを感じたり発信できる環境を強力に整えます。もちろん、スタジアムに「政治と宗教」は持ち込みません。
困難で長い道のりであろうとスポーツクラブとしてのあるべき姿を純粋に徹底的に追求して参ります。
そのようなクラブとなるために、当面下記の対応策を実施致します。これ以外につきましても、上記の宣言に合致する施策につきましては、順次検討・実施して参ります。


<当面の施策>
(1) 警備体制について、警備員の増員等強化します。連絡・情報共有体制から現場での配置、対応に至るまで抜本的に見直し実施します。アウェイゲームにおいて、多くのクラブスタッフを派遣し、スタンド内においてトラブル防止に努めます。
(2) 3月15日に行われるJリーグvsサンフレッチェ広島以降、リーグ戦、カップ戦とも、ホーム、アウェイを問わず、浦和レッズのファン・サポーター全員に対し、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止とします。


<その他施策>
年齢や性別、国籍にかかわらずだれもが安心して観戦できるサッカースタジアムづくりに向け重点的に取り組んで参ります。


(1) スタジアムにおけるクラブとサポーター間にあるルールや慣習等について、クラブが主管者として責任ある管理を実施できるよう、ルールを新たに作っていきます。
(2) サポーターによる差別行為・発言については、差別撲滅に取り組むFIFAのコンセプト、日本サッカー協会の規程を参考にするとともに、実行者に対しては「最低2年間、スタジアムへの入場を禁止」等の処分を行います。
(3) 「SPORTS FOR PEACE!プロジェクト」をファン・サポーターの皆様も含めた活動へと拡大させ、「ルールあるサポート」の徹底に向けた啓発等の取り組みを加速させます。
(4) 席割りの変更等をはじめだれもが安心して観戦できるような取り組みを実施するため、ファン・サポーターの皆様を含む外部の方からの意見を聴取する仕組みを構築します。
(5) 人権や差別に関する専門家の方々の協力を得て、クラブスタッフに対し、反差別についての教育を行い、人権意識の水準を高めていきます。