新星 宙組 大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さん その1

 

 宝塚歌劇団宙組新トップスター、大空祐飛さんが東京宝塚劇場でお披露目公演「カサブランカ」(2月7日まで)を熱演している。東京出身で「ここは宝塚を初めて観た場所。感慨深いですね」と“凱旋公演”に喜びもひとしおだ。


 名作映画初のミュージカル化で大空さんが演じるのは、ハンフリー・ボガートが演じたリック。陰影豊かに演じ、たばこを持つ姿もキメる。「持ち方とか、くわえ方にはこだわりました。(電子たばことはいえ)煙も出るので、その出方でも表現できれば。いまの私がお見せできる最大限の魅力的な男性像を作りたい」。

 昨年8月の福岡・博多座公演でトップデビュー。重要な立場を自覚するが気負いはない。今年入団19年目で男役の深みは増すばかり。容姿や雰囲気、役柄の印象かクールビューティーといわれる。


 「あまり愛想がないんですかね(笑)。ただ昔から冷静に考えるとこがあるので、そういうところが言われるゆえんかな。でも体育会系だし、結構熱いタイプです」

 
 中学時代、観劇した公演で偶然出会った出演者に「向いているから受けなさい」と薦められたのがきっかけで宝塚の門を叩いた。入団後は月組花組を経て昨年6月に宙組に異動しトップに就任。「常に妥協しない舞台で、初めて観てくださった方にも宝塚を認めていただけるよう芸を磨いていきたい」と熱いのだ。


 体調管理もタジン鍋(無水で調理できる鍋)でバッチリ。食事のバランスに心掛ける。

 次回作「シャングリラ−水之城−」(東京・日本青年館で3月26日〜4月2日)は近未来ファンタジー。「ヘアスタタイルとか180度違う感じ。いろんな顔を見せていきたい」。“大空”へ向け飛躍する。