ほんと甘い 読売の社説

 マニフェストの一部公約違反をせめたてる大新聞が 日本の根幹といえる「非核3原則」をあっさり踏みにじり、占領されていた「沖縄」を取り戻すのに、ここまで譲歩しなけらばならないのか。保守の新聞ととしても読売の社説は最低。

「佐藤」核密約 東西冷戦下の苦渋の選択だ(12月24日付・読売社説)

 沖縄返還後の核再持ち込みをめぐる日米密約の存在を裏付ける貴重な資料が発見された。

 1972年の沖縄返還に先立つ69年11月、ワシントンで開かれた日米首脳会談で、佐藤栄作首相とニクソン米大統領が極秘に署名した「合意議事録」である。

 文書は、米国が沖縄返還時にすべての核兵器を撤去するものの、極東有事などの際には再び持ち込む権利を持つことを、日本側が認める内容となっている。


 密約の存在は、佐藤首相の密使を務めた若泉敬氏が明らかにしていたが、文書自体の確認は初めてで、その歴史的意義は大きい。

 沖縄返還交渉で、日本側は「核抜き本土並み」の返還を求めたのに対し、米側は、極東の安全保障の観点から、有事の核再持ち込みの必要性を主張した。

 密約は、米ソ対立による東西冷戦の下、核を忌避する日本の国民感情と安全保障を両立させつつ、沖縄返還を確実にするための苦渋の選択だったと言えよう。

 外務省は、有識者委員会を設置し、今回の件を含む四つの密約問題を調査、検証している。合意議事録の発見は、この作業を大きく前進させるだろう。

 議事録は、佐藤首相の自宅に保管されていた。その内容は、歴代首相や外務省幹部にきちんと引き継がれていたのか。有識者委員会は、関係者からの聞き取り調査などを通じて、真相を究明してもらいたい。

 政府は従来、一貫して密約の存在を否定してきた。だが、日本外交に対する国民の信頼を回復するには、密約の存在を認め、問題にけじめをつけるべきだ。

 冷戦は終わったが、現在の日本の安全保障環境は必ずしも改善されたとは言い難い。

 北朝鮮は核実験を2度実施し、日本を射程に収める弾道ミサイルを大量に保有する。中国の国防費は21年連続で2ケタの伸びを示した。日本に照準を合わせた核ミサイルも多数配備している。

 日本にとって米軍の核抑止力は依然、不可欠である。

 ところが、鳩山政権は、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる優柔不断な対応で米側の強い不信を招き、日米同盟は今、大きく揺らいでいる。

 核抑止力を維持するには、「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則の「持ち込ませず」のうち、核搭載艦船や航空機の寄港・立ち寄りを可能にすることも、十分検討に値するだろう。