おもしろかったよ。映画「築城せよ!」

 お城が好きで、昔ダンボール関係の仕事をしていた私にとっては最高の映画でした。

 本編もいいけれど 特典映像の「築城せよ!」を築城せよ!が良い。 愛知県豊田市(猿投温泉・愛知工業大学)と瀬戸市(商店街)など地元(地域)密着、町の人たちの協力そして、ダンボールのトップメーカ「レンゴー」まで絡んで「ダンボールの城」ができあがる。

        

 町興しのため、城を復元して観光客を誘致しようとする住民と、工場を建てて雇用を拡大させようとする町長一派が対立する猿投町。ある夜、遺跡の発掘現場で3人の戦国武将の霊がよみがえった。そのうちの一人の武将・恩大寺は城を建てるという夢を果たせぬまま、400年前に無念の死を遂げていた。恩大寺の「築城せよ」との無謀な命令と振る舞いをいぶかしがる町民たちだったが、築城へのひたむきさにいつの間にか引き込まれていく。

 
 400年もの昔、戦国時代の侍の霊が、段ボールで城を築こうとする様子を描く奇想天外な物語。段ボールをかき集め、町全体を巻き込んでの築城計画が、それを阻止しようと画策する町の権力者たちとの争いを絡めながら展開していく。尊大にふるまいながらもどこか人間味のある武将・恩大寺を演じるのは、上方歌舞伎の役者として知られる片岡愛之助。恩大寺の夢に共感して築城に挑む女子大生・ナツキには、『犬と私の10の約束』の海老瀬はなが扮する。この、斬新で奇抜なアイデアを映画として実らせたのは、本作で長編デビューとなった古波津陽監督。高さ約25メートル、段ボール12000個を使っての巨大な段ボール城は壮観だ。


  
  正面は片岡愛之助さん。奥の花嫁姿は海老瀬はなさん。