瀬奈じゅんさん 宝塚大劇場にさようなら

 月組公演 ミュージカル・ロマン『ラスト プレイ』−祈りのように−作・演出/正塚晴彦氏。併演はファンタスティック・ショー『Heat on Beat!(ヒート オン ビート)』作・演出/三木章雄氏。 宝塚大劇場 2009年10月9日(金)〜11月9日(月)。


宝塚歌劇支局より引用。

 宝塚生活18年、男役を究め2009年12月27日付で退団する月組トップスター、瀬奈(せな)じゅんさんが11月9日、宝塚大劇場でサヨナラ公演「ラスト プレイ」「Heat on Beat」の千秋楽を迎え終演後サヨナラショーと退団会見を開いた。


 ダイナミックでパワフルなショースター、瀬奈さんらしく、サヨナラショーも明るさいっぱい。幕が開くと真っ暗な舞台に瀬奈さんの声だけが聞こえ、銀橋から真っ赤な衣装で瀬奈さんが登場したところにスポットライト。客席からの拍手はいきなり手拍子に変わった。

 初コンサート「SENA」の「すべての愛を」からスタートだ。「REVUE OF DREAMS」はじめ月組時代のショーの主題歌を中心に歌い踊る。同時に退団する羽桜(はざくら)しずくさんも「ME AND MY GIRL」から「あごで受け止めて」遼河(りょうが)はるひさんは自身のディナーショーの主題歌「GLITTER」城咲(しろさき)あいさんは「オクラホマ!」から「新しい日々」をそれぞれ披露。そんななか瀬奈さんは大好きな役「グレート・ギャツビー」から「朝日の昇る前に」をしっとりと熱唱。一転「ME AND MY GIRL」の「ランベス・ウォーク」では客席降りのサービスも。そして月組生全員に見守られて「奇跡」を歌い始めると場内はペンライトの洪水となった。


 舞台からファンへの最後のあいさつは麗百愛(うらら・もえ)さん、羽桜さん、麻月(あつき)れんかさん、城咲さん、音姫(おとき)すなおさん、遼河さんのあと男役の象徴である燕尾服姿で登場。

 月組メンバーの数と同じ86本の赤いバラの花束を手に持ち「さまざまな試練を乗り越えて来ましたが最後の試練は宝塚を退団する寂しさと戦うことです。18年間本当にありがとうございました」と語りかけるように話し、最後は宝塚への哀惜の言葉でしめくくった。拍手は鳴りやまずカーテンコールは8回。いつまでも別れを惜しんでいた。


 終了後に会見した瀬奈さんは「宝塚は青春のすべてでした。退団後のことはまだ何も決まっていませんが、ファンの方に喜んでもらえるようなものが出来れば」とショービジネスで再出発したい意向を示唆した。

 花の道のパレードには約6500人が大集合。瀬奈さんが現れるとここでも「あさこさん!ありがとう!」の絶叫が夜空にとどろいた。