トニー賞


 トニー賞(Tony Award)とは、正式にはアントワネット・ペリー賞 (Antoinette Perry Award) と呼ばれる、アメリカン・シアター・ウィング(American Theatre Wing)および全米劇場プロデューサー連盟(League of American Theatres and Producers)により授与される、アメリカ合衆国の演劇及びミュージカルの賞。
 選考の対象となるには、審査の期間中にニューヨーク・ブロードウェイの劇場で公演が開始される必要がある。受賞者はブロードウェイの関係者700人による投票で決まる。1947年に始まり1949年から、演劇部門とミュージカル部門に分かれた。トニー賞アメリカの演劇界で最も権威ある賞と受け止められており、映画界のアカデミー賞、音楽業界でのグラミー賞、テレビにおけるエミー賞、報道におけるピューリッツァー賞に相当する。 トニー賞の名前は、女優、演出家、そしてアメリカン・シアター・ウィングの共同設立者である、アントワネット・ペリーに由来する。なおトニー(Tony)は、アントワネット(Antoinette)の別称である。
 毎年5月にノミネート発表、授賞式は6月に開催される。1996年まではブロードウェイの劇場で持ち回り開催だったが、1997年からラジオシティ・ミュージックホールで行われ、一般の人でも授賞式が観覧できる。

トニー賞授賞式2009 チャンネル :BS2 放送日 :2009年 6月28日(日) 放送時間 :午後7:30〜午後10:00(150分) 映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞と並んで、全世界のショー・ビジネス関係者が注目するアメリカ演劇界で最も権威を持つ「トニー賞」。63回目となる今年の授賞式の模様をノーカット、完全字幕スーパーでお届けする。 今回の番組ではNY在職中の有働由美子アナウンサーが、最新のNY演劇情報をリポート。大の演劇ファンである有働アナウンサーが、日本にはなかなか入ってこない現地のホットな情報を体当たりで伝えてくれる。 番組のオープニングでは、トニー賞授賞式当日の会場前から、レッドカーペットでのスターインタビューなど、臨場感あふれる現地の様子をお送りする。

[eiga.com 映画ニュース] 米演劇界の祭典である、アメリカン・シアター・ウィング&全米劇場プロデューサー連盟が共催する第63回トニー賞授賞式が2009年6月7日、米ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールにて開催され、エルトン・ジョンのミュージカル「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」がミュージカル部門で最多10冠に輝いた。

 ジェイミー・ベルが主演したオリジナル映画「リトル・ダンサー」(00)は、「めぐりあう時間たち」や「愛を読むひと」(6月19日公開)の監督スティーブン・ダルドリーのデビュー作。英国北部の炭坑町に暮らすビリー・エリオット少年がプロのバレエダンサーになるまでを描く痛快ドラマで、製作費わずか500万ドル(現在のレートで約4.9億円)の低予算映画ながら、世界中で興収1.1億ドル(約108億円)の大ヒットを記録した。

音楽をエルトン・ジョン、作詞を映画版の脚本家リー・ホール、演出をダルドリー監督自らが手がけたミュージカル版(製作費は映画の倍の1000万ドル)は、05年にロンドンのウエストエンドで初演され、英ローレンス・オリビエ賞で4冠を獲得。07年にはシドニーでも初演され、オーストラリアの演劇賞を総ナメに。ブロードウェイでは08年10月よりインペリアル・シアターで初演された。

今回のトニー賞で同作は、ミュージカル作品賞、脚本賞、演出賞、主演男優賞、助演男優賞、振付賞など10部門で受賞。楽曲賞のエルトン・ジョンの受賞こそ叶わなかったが、演出賞のダルドリーをはじめ主要部門をほぼ完全獲得。主演男優賞でビリー役の3人の10代の子役、デビッド・アルバレス(15)、トレント・コワリク(14)、キリル・クリッシュ(15)が受賞した場面は、今年最大のハイライトとなった。

第63回トニー賞のおもな受賞結果は以下の通り。

▼ミュージカル作品賞 「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」

▼演劇作品賞 「God of Carnage」

▼ミュージカル脚本賞 「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」、リー・ホール

▼オリジナル楽曲賞 「Next to Normal」、作曲トム・キット、作詞ブライアン・ヨーキー

▼ミュージカル・リバイバル作品賞 「ヘアー」

▼演劇・リバイバル作品賞 「The Norman Conquests」

▼ミュージカル主演男優賞 デビッド・アルバレストレント・コワリク、キリル・クリッシュ、「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」

▼ミュージカル主演女優賞 アリス・リプリー、 「Next to Normal」

▼演劇主演男優賞 ジェフリー・ラッシュ、「Exit the King」

▼演劇主演女優賞 マーシャ・ゲイ・ハーデン、「God of Carnage」

▼ミュージカル助演男優賞 グレゴリー・ジュバラ、「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」

▼ミュージカル助演女優賞 カレン・オリーボ、「ウエストサイド物語」

▼演劇助演男優賞 ロジャー・ロビンソン、「Joe Turner's Come and Gone」

▼演劇助演女優賞 アンジェラ・ランズベリー、「Blithe Spirit」

▼ミュージカル演出賞 スティーブン・ダルドリー、「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」

▼振付賞 「リトル・ダンサー/ザ・ミュージカル」、ピーター・ダーリング

▽功労賞 ジェフリー・ローマン