TAKARAZUKA SKY STAGE 090627

☆06/27 23:00 コパカバーナ('06年宙組博多座 ミュージカル『COPACABANA』音楽/バリー・マニロウ氏。作詞/ブルース・サスマン氏、ジャック・フェルドマン氏。脚本/バリー・マニロウ氏、ジャック・フェルドマン氏、ブルース・サスマン氏。演出/三木章雄氏。日本語脚本・訳詞/高平哲郎氏。翻訳/青鹿宏二氏。解説= アメリカン・ポップスを代表するシンガーでありソングライターであるバリー・マニロウ氏が、自身の大ヒット曲「コパカバーナ」をベースに作り上げたミュージカル。1994年5月にイギリスのマンチェスター、パレス劇場で初演。1994年6月にはロンドンのプリンス・オブ・ウェールズ劇場で開幕。1995年5月ロンドン公演閉幕後全英ツアーを行う。2000年6月にはピッツバーグにてアメリカ公演初演、以来全米32都市でツアー公演を行い、2002年10月〜2003年5月にはオランダ・ツアー公演、2003年1月〜3月デンマーク公演、また2003年1月〜2004年4月には全米ノンエクティ・ツアーが行われている。若い作曲家スティーブンが自分自身をモデルにしたトニーというキャラクターを主人公にミュージカルを作ろうと想像と現実の間を行き来する、ファンタジックなミュージカル・コメディ。2006年06月03日(土)〜06月19日(月)星組梅田芸術劇場公演より続演。


宝塚歌劇支局060805」より。

 宙組の新トップスターコンビ、貴城けい(たかしろ・けい 1992年入団 雪組宙組 2007年退団)さん&紫城るい(しじょう・るい 1997年入団 月組宙組 2007年退団)さんのお披露目公演、ミュージカル「コパカバーナ」(三木章雄氏潤色、演出)が、福岡・博多座で開幕した。


 「コパカバーナ」は湖月わたる(こづき・わたる)さんを中心に、梅田芸術劇場で上演された星組版の続演という形になるが、貴城さん、紫城さんの2人の華やかでソフトな雰囲気。さらに大和悠河(やまと・ゆうが)さん、蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんといったフレッシュな共演陣が加わって星組版とはひと味違った若さあふれる舞台に仕上がった。

 舞台はバリー・マニロウが、自身の同名ヒット曲をベースに作ったバックステージもののミュージカル。貴城さん扮する作曲家スティーブンが自分自身をモデルにしたトニーというキャラクターを主人公にミュージカルを作っているうちに想像と現実がごちゃまぜになってしまうファンタジックなミュージカル・コメディーだ。

 幕開きはご存じ「コパカバーナ」の一節を使用した華やかなラテンナンバーから。これはスティーブンが作っているミュージカルの想像上のステージで、やがてスティーブンの想像が劇中劇のかたちでドラマになっていく。

 1947年のニューヨーク。田舎からでてきた女優志願のローラ(紫城さん)新進作曲家のトニー(貴城さん)がナイトクラブのオーディションで出会い、一目で恋に落ちるが、ハバナのナイトクラブの経営者でギャングのリコ(大和さん)がローラを見染めて誘かい同然で引き抜いてしまう。トニーは奪回作戦に出るが銃撃騒動まで起きて大混乱。こんなストーリーを作っているうちにスティーブンが現実の愛に目覚めるというおめでたいお話。

 星組版との大きな違いは蘭寿さん扮する支配人のサムが星組公演で未沙のえる(みさ・のえる)さんが扮したサム・シルヴァーの息子という設定になっていること。そのサムが使い古した毛布の切れ端を持っていないと情緒不安定になるというキャラクターで、これが蘭寿さんの絶妙のコメディー演技で場面をさらった。作品自体のクオリティーは昨年の「アーネスト・イン・ラブ」に比べるとかなり落ち、ナイトクラブの雰囲気を出そうとオーケストラを舞台上に上げたのはいいが、舞台が狭くなって折角ダレン・リーを招聘したのにダイナミックな群舞が生きていないという欠点があったが、この改変が作品的にかなり救ったといえる。

 もちろん新トップスターの貴城さんは群を抜いた歌唱力と華やかな個性がセンターによく似合い、なかなか堂に入ったトップぶり。男役を従えて踊る「ダンシングフール」もよく弾けていた。

 娘役トップスターの紫城さんはカントリーガールというよりは都会的な雰囲気だがソフトな歌声が心地よく、貴城さんとのコンビも非常にしっくりしていた。この新コンビ、今後の舞台がおおいに期待できそうだ。

 リコ役の大和さんが、蘭寿さんに対抗して?コンチータ役の遠野あすか(とおの・あすか)さんとともに幾分マンガチックで誇張した役づくりに挑戦したのも面白く、新生宙組のフレッシュな魅力が見物の舞台となった。


カルロス: 寿つかさ(ことぶき・つかさ)さん。 / ミセス・ブリル: 鈴奈沙也(すずな・さや)さん。 / チーフ・ウェイトレス/メイド長: 彩苑ゆき(あやぞの・ゆき 2009年7月退団予定・娘役)さん。 / スキップ: 初嶺麿代(はつね・まよ 2007年退団・男役)さん。 / ボーイ長: 貴羽右京(たかはね・うきょう 2007年退団・男役)さん。 / サム・シルヴァー: 蘭寿とむさん。 / グラディス・マーフィー: 美風舞良(みかぜ・まいら 娘役)さん。 / マクマナス: 天羽珠紀(あもう・たまき 男役)さん。  / ウィリー: 悠未ひろゆうみひろ 男役)さん。  / ルイス: 夏大海(なつ・ひろみ 2008年12月退団・男役)さん。  / クローク嬢: 月城美咲(つきしろ・みさき 2006年8月当公演で退団・娘役)さん。 / ジンジャー: 美羽あさひ(みわ・あさひ 2009年7月退団予定・娘役)さん。  / シド: 音乃いづみ(おとの・いづみ 2008年5月退団・娘役)さん。  / ベロニカ・レイク: 純あいら(じゅん・あいら 2007年2月退団・娘役)さん。  / ミゲル: 八雲美佳(やくも・みか 2008年12月退団・男役)さん。