白羽ゆりさんが退団記者会見


サンスポより引用。
 

 2009年5月31日付で退団することを発表した宝塚歌劇団雪組娘役トップスター、白羽ゆりさんが2008年12月26日、兵庫県宝塚市歌劇団事務所で会見し、心境を語った。

 淡いベージュのフェミニンなワンピース姿で現れた白羽さん

 「宝塚にあこがれ、娘役にあこがれて、夢がかなって入団し、11年間に素敵な役、素敵な相手役に恵まれて、素敵な日々を過ごすことができました。充実して輝き、生き生きしている今だから、娘役として誇りを持って卒業できます」

 そう切り出した。

 退団を決意したのは、前作の「マリポーサの花」の公演中だったという。

 「主演娘役になった時点から、退団の時期は考えていました。次の公演が『ZORRO−−仮面のメサイア』と決まったとき、運命的なものを感じたんです。私はキャサリン・ゼタ・ジョーンズの出た映画の『ゾロ』が大好きで、DVDも何度も見て、役柄の参考にしていたんです。だから、この作品で卒業しようと思いました」

 相手役の雪組トップスター、水夏希さんには決意した時点で話した。
 「とても驚いていらしたけれど、最後までともにがんばっていこう、と言っていただきました」

 すでに次作のポスター撮影は終えているそうで、「水さんのゾロと私のレディ・ゾロのお衣装が一緒なんです。すごく楽しみです」とニッコリ。

 雪組の仲間たちには、大阪シアター・ドラマシティ公演「カラマーゾフの兄弟」班には、12月25日の千秋楽に自分自身で。
 「下級生が泣いてくれたのを見て、思わずもらい泣きしてしまいました」

 宝塚バウホール公演「忘れ雪」班には、同じ日に組長から、退団を報告したそうだ。ファンに対しては「幸せな宝塚人生を歩めたのは、みなさまの応援で勇気づけられたおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです」と述べた。

 白羽さんは福島県福島市出身。1998年に「シトラスの風」で初舞台を踏み、1999年月組に配属。華やかな美貌で早くから注目され、同年「更に狂わじ」(バウホール)で初ヒロイン。2000年7月雪組に組替え。2001年「追憶のバルセロナ」で新人公演初ヒロインをつとめる。2004年の東京・日生劇場公演「花供養」では専科トップの轟悠の相手役に抜擢された。

 2005年2月星組に組替え。9月の全国ツアー公演からトップスター・湖月わたるさんの相手役として娘役トップスターに昇格。大劇場のお披露公演は「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネット役だった。2006年11月雪組に組替え。今度はトップスター・水夏希さんの相手役となり、2007年5月の「エリザベート」ではタイトルロールを堂々と演じた。

 「私は組替えが多かった分、仲間たちとたくさん知り合えました。なかでも雪組が一番長かったので、この組で卒業できることがうれしい」

 思い出に残る作品としては、「ベルサイユのばら」、「コパカバーナ」(2006年大阪・梅田芸術劇場メインホール)、「エリザベート」をあげた。

 退団後については、「何らかの形で舞台にかかわっていけたら、と思っていますが、今は目の前の公演しか考えられない。あと半年、悔いの残らないよう、舞台だけに集中します」。結婚はまだ考えていないそうだ。

 この日の会見には、出身地の福島の新聞社も駆けつけ、両親に退団を報告したときのようすを質問。白羽さんは「寂しそうではありましたが、11年間、よくがんばったね、と言ってくれました」と答えた。

 同席した小林公一歌劇団理事長は「華のある娘役スターで、宝塚を代表する作品で実力を発揮し、支えてくれた。最後の日まで、ますます大きな花が咲くようにして送り出したい」と語った。

 こんごのスケジュールは、2009年元日に宝塚大劇場、1月3日に東京宝塚劇場で、「宝塚歌劇95周年の口上」に出演。1月6〜14日=「カラマーゾフの兄弟」(赤坂ACTシアター)。3月13日〜4月13日=さよなら公演となる「風の錦絵」「ZORRO−−仮面のメサイア」(宝塚大劇場)。4月15〜16日=「白羽ゆりミュージック・サロン」(宝塚ホテル)、4月19〜20日=「同」(東京會舘)。5月1日〜31日=さよなら公演(東京宝塚劇場)で、その千秋楽が退団の日となる。