1128遠野あすか(とおの・あすか)さんの誕生日です。


 遠野あすかさんは1998年入団第84期生。愛称は「あすか」。身長162cm。出身地は千葉県我孫子市

 1998年3月 、宝塚音楽学校を39人中9番の席次で卒業。宝塚歌劇団入団。宙組大劇場公演「シトラスの風」で初舞台併演は「エクスカリバー」。同期には未涼亜希さん、桐生園加さん、音月桂さん、北翔海莉さん、白羽ゆりさん(雪組娘役トップスター 2009年5月31日付けで退団)らがいる。

 1999年1月 、宙組に配属となる。キュートな容姿と歌唱力で早くから注目され、宙組配属後早くも研2で「CROSSROAD」に和央ようかさんの相手役として抜擢される。翌2000年には「砂漠の黒薔薇」で新人公演初ヒロインを果たす。また、同年のバウ・青年館公演「FREEDOM」〜ミスター・カルメン〜では、後に「シンデレラ」や「アーネストインラブ」等で縁のある樹里咲穂さん(初主演作)の相手役を務めた。

 2001年8月、 花組に組替えとなり、その魅力・実力を開花させ、二番手娘役スターとして活躍。エトワールも何度も務めるなど、歌唱力も評価された。

宝塚歌劇支局」2005年9月10日より。

 専科のスター・樹里咲穂さん、正真正銘のサヨナラ公演となったミュージカル「アーネスト・イン・ラブ」(木村信司氏脚本、演出)が2005年9月1日、東京・日生劇場で開幕、連日満員の盛況に沸いている。「アーネスト・イン・ラブ」は、月組の新トップコンビ・瀬奈じゅん彩乃かなみのお披露目公演として、7月に大阪・梅田芸術劇場で初演、大評判となった作品。これを東京公演では樹里を中心に花組選抜メンバーが出演して上演された。アーネスト役の樹里さんはいかにもカントリーの貴族といった庶民的な雰囲気。それがまたこの作品にピッタリで絶好調。まさに硬軟自在の演技で、見ているこちらまで楽しくなる。 相手役グウェンドレンの遠野あすかさんも持ち前の透き通った歌唱を存分に披露。「マラケシュ」の大人っぽい女優役とはうって変わったみずみずしさを披露、弾んで魅せた。

 2006年2月、専科に異動。娘役スターの専科異動は異例であり、ファンを驚愕させる。「コパカバーナ」のコンチータでは、薹が立った大スターという設定の役で新境地を見せる。また、このコンチータ役で、星組では安蘭けいさんの、宙組では大和悠河さんの恋人役を務めた。

 2006年11月、星組に組替え、同年12月「ヘイズコード」より安蘭けいさんの相手役として娘役トップスター就任。以来安蘭さんとの息のあったコンビぶりで好評を博し活躍した。

 2008年11月、2009年4月26日の東京宝塚劇場公演「マイ・ディア・ニューオリンズ−愛する我が街−」「ア・ビヤント」千秋楽で退団する、と発表した。

星組娘役トップスター時代 2006年12月〜2009年4月

☆2006年12月〜2007年1月、ドラマシティ・日本青年館公演「ヘイズコード」作・演出/大野拓史氏。 リビィ(オリヴィア)・フォンティン役。 *トップコンビ披露公演

宝塚歌劇支局」2006年12月16日より引用。
 宝塚星組の新トップコンビ、安蘭けいさん&遠野あすかさんが主演する「ヘイズ・コード」が、大阪・シアタードラマシティで開幕した。「ヘイズ・コード」は、1930年代のハリウッドの撮影所を舞台に、自主検閲規定(ヘイズ・コード)がきちんと守られているかどうかを監視する主人公の青年と新人女優の恋を劇中劇の華やかなミュージカルシーンをたっぷり盛り込んで描いたロマンチックコメディー。安蘭さんは、3秒以上のキスシーンを細かくチェックする監視員レイモンドをコミカルに演じ、新人女優リビィに扮した相手役・遠野さんとの相性もぴったり。歌ありタップありの実力派コンビにふさわしい仕上がりとなっている。

 写真中央が遠野あすかさん 


(中略) 安蘭さんは、歌そしてタップとまさに充実のトップぶり。遠野さんも一段とあか抜けた雰囲気でスターのオーラが輝やいた。

☆2007年3〜7月 宝塚舞踏詩「さくら」−妖しいまでに美しいおまえ− 作・演出/谷正純氏。/ミュージカル「シークレットハンター」−この世で、俺に盗めぬものはない− 作・演出/児玉明子氏。 ジェニファー役。  *宝塚大劇場トップ披露公演。

宝塚歌劇支局」2007年3月24日より引用。
 星組の新トップコンビ、安蘭けいさんと遠野あすかさんのお披露目公演、宝塚舞踊詩「さくら」(谷正純氏作、演出)とミュージカル「シークレット・ハンター」(児玉明子氏作、演出)が宝塚大劇場で開幕した。う。

 初舞台生50人の口上のあと、緞帳があがると舞台は一足早く桜が満開、まさに春爛漫(らんまん)を思わせる華やかさの中、安蘭さんと遠野さんを中心とした桜花の若衆と美女の総踊り。「妖しいまでに美しいおまえ」と題したまさに宝塚ならでは世界が繰り広げられる。谷氏初の日本物ショーで総踊りの後には「墨染めの桜」をバックに安蘭さんと遠野さんの連舞があり、続いて桜の季節になると片づけられる柚希礼音が扮する内裏雛を中心にした人形たちのコミックパート。続く竹燈籠を背景にした安蘭さん、松本悠里さんのパートのあとは花見客から桜を守ろうとする寺の守番(涼紫央さん)と村の庄屋(立樹遥さん)たちの狂言オペレッタ「花折」があってフィナーレとなる。桜満開のセットのなか豪華な「一竹辻が花」を着た安蘭さん、遠野さん、柚希さん、松本さんはじめ出演者全員の総踊りが繰り広げられる。口上を入れて約50分という短さで、もう少し見たいと思わせるところで終わるのは心憎い。装置と辻が花以外の衣装の色遣い(ブルーや赤やオレンジ)にやや品がないのがタマにキズだが、構成はすっきりしている。

 左 遠野あすかさん 


 しかし、なにより児玉明子氏の大劇場デビューとなった「シークレット・ハンター」が最近のヒット。ストーリーはなんということはないのだが、安蘭さんと遠野さんという歌える演技巧者が演じると、まあなんと素敵なミュージカルコメディになることか。児玉氏の座付き作者としてのスターの見せ方のうまさも特筆に価して、月組花組とこのところことごとく期待外れが続いただけに得をした感もある。

 オープニングが実にしゃれている。「ミッションインポシブル」風の黒ずくめの安蘭さんが宙乗りで登場。クラウンジュエリーをかっこよく盗もうとするのだが、思わずずっこけるあたりが楽しい。話もどんでん返しに次ぐどんでん返しでまともに書けないのが辛いが、カリブ海某国の盗みのプロ、ダゴベール(安蘭さん)が当地を訪れたヨーロッパ小王国のプリンセス、ジェニファー(遠野さん)の誘かいを相棒のセルジオ(柚希さん)から依頼されるところから始まる。

 入団17年目でトップ披露となった安蘭さんはもう10年前からトップのような落ち着きと貫録、しかし新トップらしいみずみずしさもあって、見事な男役ぶり。遠野さんもプリンセスというにはちょっと庶民的すぎると思っていたらそれがあとで効いてくるのだから心憎い。2人とも歌のうまさには定評があるが、サンドビーチでのラブシーンとデュエットは最近の名場面に数えたいくらいだ。

☆2007年8月、博多座公演「シークレットハンター」ジェニファー役。/「ネオ・ダンディズム!Ⅱ」

☆2007年11月〜2008年2月、「エル・アルコン―鷹― 」ギルダ・ラバンヌ役。/ 「レビュー・オルキス―蘭の星―」

☆2008年3〜4月、ドラマシティ・日本青年館大ホール・愛知厚生年金会館公演「赤と黒」レナール夫人役。

☆2008年6〜10月、「THE SCARLET PIMPERNEL」マルグリット・サン・ジュスト役。

☆2008年11〜12月、全国ツアー公演「外伝 ベルサイユのばら−ベルナール編−」ロザリー役。/「ネオ・ダンディズム!III−男の美学−」

☆2009年2月~4月、「My dear New Orleans−愛する我が街−」ルイーズ・デュアン(ルル)役。/「ア ビヤント」 *退団公演