「京阪特急」


  中之島線が10月19日開業する。天満橋駅中之島駅を全線地下線で結び約3キロの間に、なにわ橋駅大江橋駅渡辺橋駅中之島駅の4駅が誕生する。その新線が期待される中で、18日に往年の特急車両一九〇〇系が引退を迎える。一九六三年に淀屋橋 - 天満橋間の地下新線が延伸開業に伴い新造されたのが一九〇〇系の京阪特急である。この特急の特徴はなんと言っても「テレビカー」である。これは一九五四年に特急車両一八〇〇系に松下電器の白黒テレビが設置され、当時は「走る街頭テレビ」と利用者から呼ばれていたらしい。また、テレビのCMソング「京阪特急」は当時超有名であったパルナスに匹敵していた。一九五八年につくられ歌詞も「天満橋から三条へ」であったが、淀屋橋延伸で「淀屋橋から三条へ」と変更された。「京阪特急」の作詞・作曲は三木鶏朗氏であるが同氏がてがけたCMソングには、「明るいナショナル」の松下、森下仁丹の「ジンジン仁丹、ジンタカタッタッタ〜」 三共の「クシャミ三回ルル三錠」が有名で、同じ私鉄の「なーん、なーん、南海電車」も作っている。
  現代に戻ると、京阪と言えば「おけいはん」と伝統的にCMに強い。さて、現在の八〇〇〇系特急車両は、一九八九年に登場し、九七年に二階建車両(ダブルデッカー)が組み込まれた。本年、車体の新塗装にともない「時代祭」のラッピングが消えたのは一部で惜しむ声がある。テレビカーのテレビは進歩し、登場時の二十一型から地上デジタル放送対応の三十二型液晶テレビになっている。
  最終運転は、18日の16時29分の天満橋駅発、萱島駅行き区間急行です。