死刑には制度として賛成しかねるが、個別の事件での適用には賛成

 人が人を殺す「死刑」制度はいつかなくなるはずである。しかし、人が人を殺す殺人も許されるはずもない。本村さんの心情は私には到底分からないが、「死刑にしたいほどの悔しさと無念の反面、死刑制度にも反対」というのが真意じゃないかな。これからの(将来だが)裁判では、死刑制度は廃止だが、事例として、どうしても死刑に該当するときはとくべつにその裁判を「死刑を認める」裁判にする方向が良い。

 NHK4月22日 14時6分 より引用

 山口県光市で主婦と幼い娘を殺害した罪などに問われた元少年のやり直しの裁判で、広島高等裁判所は「残虐で非人間的な犯行で、死刑にしない特別な事情は見いだせない」と指摘し、犯行当時18歳だった元少年に求刑どおり死刑を言い渡しました。元少年弁護団は死刑判決を不服として最高裁判所に上告しました。

この事件は、平成11年、山口県光市で主婦の本村弥生さん(当時23歳)と生後11か月だった娘の夕夏ちゃんを殺害したとして、当時18歳だった元少年が殺人などの罪に問われていたものです。1審と2審は元少年無期懲役を言い渡しましたが、最高裁判所は「特別な事情がなければ死刑にするほかないにするほかない」として、審理のやり直しを命じていました。22日の判決で、広島高等裁判所の楢崎康英裁判長は、元少年側が1審や2審で行った主張を大きく変えて被害者への乱暴や殺害の意図を否定したことについて「不自然で不合理だ」と述べて、2人を殺害したことを明確に認め、やり直しの裁判での主張をすべて退けました。そのうえで「18歳になってまもない少年だったことは考慮すべきだ」としながらも「死刑を免れようと1審と2審での供述を一変させてうその弁解や偽りの反省を口にしており、自分の犯した罪の深刻さと向き合うことを放棄したと言うしかない」と指摘しました。そして「残虐で非人間的な犯行で、酌量の余地はみじんもなく、死刑にしない特別な事情はない」として、元少年に求刑どおり死刑を言い渡しました。死刑の言い渡しを受けたとき、元少年は身動きひとつしませんでした。閉廷したあとは、裁判官、検察官、弁護団の順に軽く頭を下げ、最後に傍聴席を見て、本村さんに向かって深く1回頭を下げたあと、法廷を出ました。本村さんは、胸の前に弥生さんと夕夏ちゃんの遺影を抱き、じっと前を向いたまま判決を聞いていました。元少年弁護団は、死刑判決を不服として最高裁判所に上告しました。