SKY STAGE レビュー・アラベスク 『バビロン』−浮遊する摩天楼−

2002年12月13日 星組公演・宝塚大劇場。作・演出は荻田浩一氏。主な出演者は、香寿たつきさん、渚あきさん、(専科)初風緑さん。


解説
 古代の都と現代の摩天楼を往還しつつ、栄光と破滅という裏腹の様相と来るべき再生を謳ったレビュー。宝塚歌劇に相応しい華やかさと明るさを表現する意欲作。トップスター・香寿たつきさんの類稀な歌唱力と洗練されたダンスをふんだんに盛り込み、星組の魅力を余すところなくお届けする。

 香寿たつきさんと渚あきさんの退団作品で、古代の魔都の名を冠したレビュー。香寿の類稀な歌唱力と洗練されたダンスをふんだんに盛り込み、星組メンバーの魅力を余すところなく伝える。無国籍な不思議な街角に迷い込んだ男(香寿たつきさん)は、女(渚あきさん)の妖しい魅力に惑わされ、魔都バビロンの奥深くへ誘われていく。そびえ立つバビロン・タワー。廃墟のような近代都市、無数の鳩の群れの中を彷徨う男、黒い鳩(安蘭けいさん)が歌う中、男は傷ついた白い鳩(朝澄けいさん)を見つける。廃墟に一斉に灯が入ると賑やかな夜の繁華街に、男は雑踏の中に女を見つけるが見失う。男を挑発するキング(初風緑さん)。男と女の幻想は、いつしか銀色の砂に包まれ、この世の果ての砂の街へ。そして激しい砂嵐の中で男は女を失う。遠い前世の夢、砂に埋もれた遺跡の前で繰り広げられる祝祭は次第に現代の祝祭へと変わる。