シアター・ドラマシティ公演『シルバー・ローズ・クロニクル』


2007年10月5日(金)〜10月17日(水) 雪組梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ公演 『シルバー・ローズ・クロニクル』作・演出/小柳奈穂子氏。

  

 解説= 1960年代のロンドンを舞台に、ヴァンパイアの少女に恋をした青年の冒険と成長をポップにロマンティックに描いたファンタジック・ミュージカル。 20世紀初頭、ロンドン。詩人のアラン・ジョーンズ彩吹真央=あやぶき・まお=さん)は、銀髪の少女ローズ・クレム(大月さゆ=おおつき・さゆ=さん)と恋に落ちる。アランは自分の詩の映画化にあたり、ローズを主演女優とするが、実はローズはヴァンパイアであったため、ヴァンパイアハンターであるヴァン・ヘルシング教授(緒月遠麻=おづき・とおま=さん)に追い詰められ、姿を消してしまう。その後には、一輪の銀の薔薇が残されていた。
 それから半世紀後の1960年、ロンドン。アランの孫であるエリオット・ジョーンズ(彩吹真央さん)は大手製剤会社「シルバー・ローズ・ファーマシー」の血液研究所の庶務課に勤めていた。早くに両親を亡くし祖父に育てられたエリオットは、祖父の死後世間から心を閉ざし、ただ祖父の詩を映画化した「銀のばら」を観ることにのみ喜びを見いだしていた。
 そんなある日、エリオットの隣の部屋にアナベル(大月さゆさん)と名乗る女性が引っ越してくる。驚いたことに、その少女は銀幕の中のローズに瓜二つであった。やがて二人は言葉を交わすようになり、エリオットは祖父の死後初めて自分を理解してくれたアナベルに惹かれていく。
 エリオットはアナベルをモデルに詩を書き、愛読雑誌「怪奇と幻想」に掲載される。詩は評判となり、人気アイドルグループ、「ラドルズ」のティム(蓮城まこと=れんじょう・まこと=さん)主演で映画化されることが決まる。エリオットはアナベルに自分の気持ちを打ち明けるが、アナベルは悲しく微笑むだけであった。
 そんなある日、エリオットは会社の上司ブライアン(緒月遠麻さん)に声を掛けられる。実は、ブライアンはヘルシング教授の孫で、「シルバー・ローズ・ファーマシー」はヘルシング教授の作った会社なのであった。国防長官テリー・モートン(磯野千尋=いその・ちひろ=さん)と通じているブライアンは、アナベルがローズと同一人物であり、ヴァンパイアであることを見抜き、軍事実験材料としてアナベルをテリーに差し出すことによって更なる地位を得ようと企んでいた。
 ブライアンの策略によりアナベルは捕らえられてしまう。計画を知ったエリオットは、ティムらと共に、アナベル奪回の計画を立てる・・・・・・。