未来への可能性が見えた90分 まずはオシムの1勝

 正直、勝てるとは思わなかった。3日間の代表練習では連携さえままならないだろうから、しかし、前半は選手のモチベーションが高く、運動量が豊富だった。いい感じで2点を取れたことも幸いした。後半はさすがに前半の力みがたたり足がとまりかけた。無論、試合は相手との力関係があり、いつでも日本ばかりが押していけるわけも無い。ただ、ジーコのときと違い「守る」ということがなかった。常に「点取り」にこだわっていた。そして、守備にも攻撃的な面がみられた。概して、オシムはいい船出であったと評価している。ただ、この試合日程を組んだサッカー協会はどうなんだろう。ガンバやジェフの選手を招集できないのはわかっていたはずだ。試合後に「川渕やめろ」のデモが起こったのも納得できる。

スポニチ8月10日号より引用。

歓喜にわく青一色のスタンドとはあまりにも対照的な光景だった。オシム監督は終了の笛を待たず「トイレに行く」との言葉を残し席を立った。そして初勝利の瞬間はベンチ裏で迎えた。控室での表情も勝利監督とはほど遠く、みけんのしわが消えることはなかった。
 「選手たちが走る力を持っている間は良い試合ができた。しかし、気がかりなのはサッカーは試合時間が90分ということ。きょう出場した中に90分走ることのできない選手がいた。(日本人は)1対1の点では不利。相手よりどれだけ多く走れるかで勝負しなければならない。きょう得た大事な教訓は走るということ。これが感想です」。2点を奪うまでは良かったが、徐々に足が止まった。後半は惨敗したW杯ドイツ大会を思わせた。その点を厳しく指摘した。

以下、サンスポより引用。

オシム監督・試合後の記者会見
――3日間で作ったチームの結果としては満足できますか?

「6日間のトレーニングなら6−0で勝ったということでしょうか? そんなに簡単なものではない。きょうの試合は私にとって重要だった。日本サッカー協会、選手、Jリーグに対しても私の果たす責任は大きい」

――ピッチ状態がよくないなど、難しい部分が多かったが

「その通りです。トレーニング期間に制約があったし、選べる選手も限られていた。残念ながら私は魔法使いではない。コンビネーションの点でいえば、短期間でやるときに一番簡単なことは、ある一定のグループの塊、同じクラブの選手を選んでしまうこと」

――三都主が2得点。中盤が彼の特性を生かせる?

「彼だけがヒーローではない。英雄とはお墓の中で眠っている人のことをいう。三都主はまだ生きています。ゴールするとヒーロー、よくないとヒーローから転落、というのはよくない」

――日本代表監督という仕事はうまくいきそうですか?

「私の未来にどれだけ時間が残されているかによる。いつまで任されるかに左右される。まあ、きょう、あすになくなることはないでしょうけど」

(司会者が会見終わりの合図をすると)

「私が終わっていい、という前に司会者が終わりにしました」

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