「死人」に口なしでいいのか

 被害者が死んでしまうと、加害者の一方的な弁明だけが記事になってしまう。もはや真実は闇の中で。その記事だけがさまよう。こうして被害者は2度殺されることになる。

「小学時代、性的いじめ」山形3人殺傷の容疑者供述
 山形県飯豊(いいで)町のカメラ店経営伊藤信吉さん(60)と長男の覚さん(27)が殺害され、妻の秀子さん(54)が重傷を負った事件で、殺人容疑で逮捕された会社員伊藤嘉信容疑者(24)が県警捜査本部の調べに、覚さんから「小学生のころ、性的ないじめを受けていた」と供述していることが11日、わかった。

 嘉信容疑者は、以後ずっと気に病むようになり、覚さんを殺そうと思うようになったとする趣旨の供述もしているといい、捜査本部は、動機と結びつくかどうか調べている。また、「信吉さん夫妻に申し訳ないことをした」と話しているが、覚さんへの謝罪は口にしていないという。

(2006年5月11日12時11分 読売新聞)


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