水があっても土星(但し衛星)とは

【ワシントン和田浩明】土星の衛星エンセラダスの地下に水が存在し、間欠泉のように地上に噴出している可能性があると、米航空宇宙局(NASA)などが9日発表した。米探査機カッシーニの観測データを分析した結果で、研究者らは生命の存在の期待も示している。
 カッシーニは昨年2月、エンセラダス(直径約500キロ)に接近した際、南極付近から何らかの物質が噴出している様子を撮影した。分析した結果、地下の「貯水池」にある液状の水が、水蒸気となって地上に噴出しているとの説明が有力になったという。
 エンセラダスの表面は氷点下約200度。研究者らは、衛星内部の放射性物質の崩壊や潮汐(ちょうせき)力で発生する熱により、液状の水が地下数十メートル付近にたまり、表面の氷が破れると地表に噴出するという仮説を立てている。
 画像解析を行った米宇宙科学研究所コロラド州)のキャロリン・ポルコ博士は「我々が正しければ、生命に適した環境が存在する可能性もある」と話している。分析結果は10日付の米科学誌「サイエンス」に発表された。
毎日新聞) - 3月10日11時45

ジョヴァンニ・ドメニコ・カッシーニ(Giovanni Domenico Cassini, 1625年6月8日 - 1712年9月14日)は、イタリア出身のフランスの天文学者。パリ天文台の初代台長でもあった。イタリアのペリナルドで生まれ、1673年にフランスに帰化土星の4つの衛星を発見したほか、惑星観測で様々な功績を残している。