楽天社長:TBSとの経営統合、長期戦を示唆

 楽天がTBSに経営統合を提案している問題で、楽天三木谷浩史社長は9日会見し、「あせりは全然ない」と述べ、長期的に取り組む方針を示した。TBS株の取得費用1110億円を銀行から借り入れていることについては「金利負担より配当収入の方が大きい」と述べ、財務体質に懸念があるとの批判に反論した。

 楽天が同日発表した05年1〜9月期連結決算で経常利益が伸びていることをあげ、三木谷社長は「金利負担は財務上、全く問題のない範囲だ」と述べた。また、楽天の提案に対して、TBSが社内の検討結果を今月末にまとめることについては「返答を待つ。将来に向けて話し合いが出来ればいい。柔軟に対応していく」と語り、TBSの回答内容にかかわらず、経営統合に向けて引き続き交渉する意欲を示した。

 TBS株式の公開買い付け(TOB)については、楽天の国重惇史副社長が「月末までにやることはない」と述べ、TOBを実行するとの観測を否定して融和姿勢を改めて強調した。【後藤逸郎】

毎日新聞 2005年11月9日