7月20日(水) 糖尿病

18日の事件というか事故について一言申したい。
 スポニチ19日は 女子中学生は病死の疑い と報じています。 

 岐阜県恵那市の自然食品研究所「次世紀ファーム研究所」(堀洋八郎代表)で死亡した中学1年の女子生徒(12)=神奈川県三浦郡=の死因について、岐阜県警は19日、「司法解剖の結果、病死の疑いがある」と発表した。遺体には目立つ外傷はないものの、死に至るような病気にかかっていた事実も確認できないことから、血液検査などでさらに詳しく調べる。
 堀代表は同日会見し「女子生徒は糖尿病だったと聞いている。研究所に来たときはすでに顔色が悪く、滞在中も熱があった。」と説明した。

◎一般の人からみると不可解な事故あるいは死亡であった思います。何故、糖尿病で死ななくてはいけないのか?これが少し怪しげな健康食品を取り扱ったり、新興宗教からみでマスコミで報道されている。しかし、別の意味で僕は12年という余りに短い彼女の人生にこころより哀悼の意を表します。彼女はインスリンインスリン膵臓から分泌されているホルモンです。全身の細胞が、血液中のブドウ糖(血糖)を取り込みエネルギーとして利用する際に、インスリンが必要です。インスリンの作用が不足すると、血糖は細胞内に取り込まれません。その結果、血液中に血糖がだぶつきます。つまり、高血糖になります。)がほとんど分泌できない1型糖尿病で僕は同病の(2型糖尿病)立場からいえるのは、この病気に対する本当の苦しみを社会の人が理解できていないことです。それと、自己注射への嫌悪感はしたことの無い人には到底わからないことかもしれません。
 
 彼女は、かなり本気でこの病気を治そうと、研究所へきたはずです。それはなにより報道ではインシュリン注射を持参していないことでわかります。これは、かなり勇気のいることです。それだけの治る確信を彼女に与えた人がいるということです。
 また、この飽食の時代に食べ物を制限(それも自己制限)することのつらさ。運動すればしたで、不意に来る低血糖の恐ろしさ(健康な体では、血糖が下がればすぐにインスリンの分泌が低下し、血糖を上げるホルモンが分泌されます。しかし、インスリン注射の場合には、そんな調節はできません。血糖が下がると、低血糖の症状が出てきます。)が待っています。低血糖では、全身に冷や汗が出たりふるえがきます。こうなるとかなり肉体・精神ともダメージを受けます)だから注射しない分、運動しても平気な気分になります。彼女は短期間でも解放されたのでしょう。

 伝聞では彼女はステーキを食べスイカをたくさん食べたと聞きます。こんな無茶はときどき僕もしますが、それはずっと抑圧された反動です。これでまた改善されかけた病状は悪化し、それでまた落ち込みます。きっと彼女は治ると本気で信じていたと思います。
 しかし、この過度な食事で多分彼女の血糖値はかなり高くなっていただろうと推測されます。それから後に彼女は嘔吐と発熱をします。高血糖になると免疫力が落ちてきます。これはシックデイたぶん風邪になっていたといえます(シックデイとは、風邪や下痢、嘔吐、大けがなど、糖尿病以外の病気になった時のこと。通常、血糖が高くなり、また、よく尿ケトン体が陽性になります。1型糖尿病では、このような時に糖尿病昏睡を起こしやすい)この風邪と合併しておこる嘔吐と発熱と頭痛の苦しさは本当につらいものです。
 糖尿病患者を引き受ける上で、研究所が知らなかったのか母親が連絡しなかったのかは今は分かりませんが、彼女が孤独の中で(意識はなかったかも知れない)悲しい死を迎えることになりました。
 天国で今度はすばらしい人生をすごしてほしいと祈るばかりです。合掌。


糖尿病ネットワークというサイトを参照しますと

小児の糖尿病(1)基礎=編集 大阪市更正療育センター所長 一式 玄先生

 糖尿病は、おとなの病気と考えられがちですが、子どもにも起こります。
 そればかりか、インスリンをつくる能力が極度〈きょくど〉に低下、あるいはなくなってしまう型(1型糖尿病)は、むしろ子どもに多く発病します。
 おとなに多くみられる糖尿病は、インスリンの分泌のしかたが悪くなったり、あるいはインスリンの効き方が悪くなるタイプ(2型糖尿病)ですが、最近は、この型が中学生や高校生にも多く発見されています。
 ふつう小児糖尿病という場合には、乳幼児にもみられ、10歳から15歳の間に発病年齢のピークがある1型糖尿病のことをさしています。