宮嶋氏の方向は 間違っている!

 確かに速見氏の暴力行為は度が過ぎてます。しかし、これに関しては速見氏は謝罪しました。また暴行S−ンを撮影した経緯も釈然としません。しかし、宮嶋氏は暴行問題とパワハラ問題を混同させて、塚原夫妻を擁護しています。いま問題なのは体操協会のあり方です。ここに焦点を当てなきゃダメです。40年も記者をやってきて、暴行事件もこれまで観てきたはずなのに、だまっていたのはなぜでしょうか? 

速見コーチが宮川選手を思いっきり殴る映像がTVで流れました。体が揺れるほどのひどさです。
この状態でも「私はパワハラと思っていない」といった宮川選手や、暴力を知りながら速見コーチを信頼しているという宮川さんのご両親に申し上げたい。夢をもってスポーツをする子供たちに、「こういう暴力がなければナショナル選手になれないんだ」という考えを容認せよというのでしょうか。

何も知らない体操OBのタレントが口から出まかせに、「宮川さんと速見コーチを引き離すために仕組んだ陰謀説」を振りまいていましたが、とんでもない! ナショナルチーム内で起きる暴力の事実をどう処理したらよいかと塚原強化本部長は必死だったのです。

私自身も5年前の柔道の女子ナショナルチーム暴力事件から全柔連の「暴力根絶プロジェクト」にかかわっていました。現在も全柔連コンプライアンス委員会のメンバーです。40年間スポーツの仕事をしてきて、かつては当たり前であった暴力やセクハラをなくすことが私の重要な仕事の一つであると信じています。ですからスポーツ関係者を対象としたハラスメントの勉強会なども行ってきました。

今回も速見コーチの暴力に関する相談をかなり早い段階でから受けていました。ですので6月から一部始終を見ていました。これらのことを見てもいないし、いきさつも知らない体操OBのタレントやコメンテーターと称する人が、勝手な思い込みによるコメントを垂れ流し、塚原千恵子強化本部長を攻撃するのにはあきれました。もちろん塚原さんたちにも日頃の態度には問題もあったでしょう。しかし、今回の件に関しては、塚原さんたちの宮川さんに対する聞き取りは、「勧誘や引き抜き」ではありません。

SNSによる誹謗中傷だけでなく、テレビ朝日にもたくさんのクレーム電話がかかってきているようです。今日、スポーツ局の若手に、「取材がしにくくなるので追及をやめてほしい」と言われました。これにはあきれてものが言えませんでした。
私たちメディアの人間には、正しいことをきちんと伝える使命があるのです。暴力は誰が何と言おうとダメです。
する側と受ける側がお互いに暴力を認め合う関係は異常です。
きちんとカウンセリングを受け、必要によっては精神科の治療を受けることも必要です。そこからしか再生は行われません。

テレビを見て、塚原バッシングをうのみにしていた方も、そろそろ目を覚ましませんか。